コラム

Column

蹞訪 ~株式会社アドシン 光澤 陽介さん~

知人の社長様へインタビューをさせていただく「蹞訪」 第10回です。

第1回の「乳菓子屋株式会社 佐藤 憲史郎さん」はこちらから

第2回の「株式会社TAS ART 田崎 新二さん」はこちらから

第3回の「株式会社マスナガ 森 弘国さん」はこちらから

第4回の「株式会社アセット 國元 祐介さん」はこちらから

第5回の「ベトナムトレーディング株式会社 澤村 友里さん」はこちらから

第6回の「有限会社all-get 友口 賀南子さん」はこちらから

第7回の「鈴木電設株式会社 鈴木 健太さん」はこちらから

第8回の「株式会社CommuniT 金子 祐徳さん」はこちらから

第9回の「タケモトデンキ株式会社 竹本 雄一さん」はこちらから

 

「この人の話を聞いてみたい」と思った社長さんへ色々と質問をぶつけさせてもらい、そこから学びを得ていく企画「蹞訪」(きほう)。当社の企業理念でもある「蹞」(ひとあし)は、そういう小さな1歩を大事にしようという想いがありますので、「どうやって事業を成長させたか」というサクセスストーリーよりも、「明日からこれを自社でもやってみよう」と思える取り組みにフォーカスした記事にしていきたいと思います。

 

第10回目のゲストは、、、

記念すべき第10回目には、株式会社アドシン 代表取締役 光澤 陽介さんにご登場いただきました。

<企業概要>

熊本市北区龍田を拠点に、印刷物やWebサイトの制作をされている会社です。2004年に光澤さんのお父様が創業し、現在22期目(コラム執筆時)を迎えています。その後、光澤さんが事業承継をし、2020年8月に代表取締役社長に就任されました。『人に笑顔を。社会に笑顔を。自分に笑顔を。 Make a Smile』を経営理念に、事業の拡大を続けられています。

 

<従業員数>

株式会社アドシン

役員 2名

社員 22名

パート 4名

 

<岡村との関係>

まだ熊本マーケティング研究所が任意団体で、私も会社員として運営をボランティアでやっている時代に、勉強会に参加してくださった時に初めてお会いしました。 その時はアドシンの社員さんが講師をしていたので、それを見に来られた時ですね。 その後、私が創業して代表になり、熊本県中小企業家同友会やKUIBなどの経済団体でご一緒する機会があって、仲良くさせてもらってます。 それぞれの団体で光澤さんから話しかけてもらったことで色々な人と仲良くなることもできましたので、非常に感謝しています。既に紹介させてもらいました、佐藤さん田崎さん國元さん竹本さん弊社取締役の溝口が同い年です。

 

 

お題:社員の採用に関して取り組んでいること

まずは創業の経緯や現在の事業についてお聞かせください。

光澤 「創業の経緯としては、父がフリーの広告代理店として活動していた昭和58年に、福岡の印刷会社から『熊本支社を開設するので、責任者を任せたい』と声をかけていただいたことが始まりです。その後、平成16年にその会社から独立する形で、アドシンを創業しました。当時の私は東京で役者をやっていたのですが、『手伝わんか?』という話がありました。それまで自由にやらせてもらっていたので、親孝行をしないと後悔するかもしれないと思ったのもあり、東京から戻ってくることにしました。」

岡村 「入社してから社長になるまでは、どのくらいでしたか?」

光澤 「2005年の4月に入社して、専務になったのが2017年です。 入社する際に『やるからには社長を目指させてほしい』と父には伝えていました。 父からは『息子だからと言って社長にするかは分からない』と言われていましたが、2020年8月に事業承継をして代表取締役社長になりました。」

岡村 「12年も下積みというか、社長ではない時期があったんですね。ほぼ創業メンバーという感じですね。私が創業したのが2020年4月になるので、意外と社長歴だけで見れば同じくらいだったんですね。知りませんでした笑」

光澤 「岡村くんとは、熊本マーケティング研究所さんを創業する前から岡村くんが運営していた勉強会で会ったのが最初ですか?あの時はトレーニングの話しかしてなかった笑 うちを辞めて岡村くんの会社に転職する社員がいて、その件で話す機会が増えたイメージです。 あとはKUIBでも一緒に学ぶ機会があって、今に至る、って感じですよね。」

岡村 「事業はどんな感じですか?」

光澤 「元々は印刷会社をルーツとして始まった会社ですが、創業当時にスタートさせたWeb制作の事業はかなり伸びました。現在はWebが4割、グラフィック6割くらいの売上構成です。今でこそ大型の案件も受注できるようになりましたが、Web事業を始めてすぐの2009年くらいは実績も無いし、単価も安かったし、大変でした。」

岡村 「同友会では青年部の部会長や、南支部の幹事長をされてますし、昨年は経営フォーラムの実行委員長も。マネゼミでは講師もされています。お忙しい中、インタビューを受けて下さってありがとうございます。」

 

将来のビジョンをお聞かせください。

光澤 「当社の経営理念は『人に笑顔を。社会に笑顔を。自分に笑顔を。 Make a Smile』です。私たちがやっていることを言語化するときに、事業を通じて何を提供しているのか?と考えました。元々、俳優業をやっていたこともあり、お客さんを笑顔にしたい、社員を笑顔にしたい、という気持ちがありました。うちがやっているのは、印刷物やWeb等の制作物を通して『笑顔づくり』をしているんだな、と思い理念にしました。将来的には、今よりもっと上流の経営課題から関われるような”デザインコンサルティングファーム”を目指しています。 地域の課題、社会課題を解決する会社にしていきたい。 伴走者になりたい、というのがあります。」

岡村 「いいですね! それに向けた事業課題ってありますか?」

光澤 「現在は、問い合わせや紹介などで“入ってきた仕事をやる”というスタイルなので、提案型のソリューション事業をやりたいと考えています。その為には、今までの組織の文化を変えることが課題です。作業ベースでやっていることをAIを使って効率化して、空いた時間で新たな取り組みをしていくことが必要です。例えば、印刷物でお取引のあるお客様の会社へ出向き、課題をヒアリングするなどですかね。 課題を知らないことには、解決策も提案できないので。まずは農業に特化してHodachi.という新規事業を始めました。」

岡村 「組織の文化を変える! ほぼ創業期からいらっしゃるとはいえ、事業承継された方の多くがその課題にぶつかってるんじゃないでしょうか」

 

組織の文化を変える為には「採用」も課題になるのでは?

光澤 「現在の採用プロセスは、書類選考をして、面接をする、というシンプルなものです。 書類選考では、履歴書(デザイナー志望はポートフォリオや制作実績も追加)を提出してもらいます。私と専務、応募職種の部門長の3名で履歴書の内容を確認していますが、よほど変な人でなければ面接をさせていただいています。」

岡村 「よほど、、、と言うと?」

光澤 「例えば転職が多い人は要注意かな~、という感じです。でも、応募してくれるだけでありがたいので、だいたいの人とはお会いしてます。」

岡村 「面接はどのようにされていますか?」

光澤 「選考書類を見た3名で面接をします。面接時には経営指針書を見せて会社説明もした上で、色々と入社前に確認しておきたいことを聞くようにしてますね。」

岡村 「どんなことを聞かれるんですか?」

光澤 「コミュニケーション能力は見ますね。基本的にはPCに向かってする仕事ですが、ディレクターとデザイナー、デザイナーとコーダー、などお客さんとの間以外にも社内でコミュニケーションは当然発生します。準備した文章を読むのではなく、自分の言葉で話せているか、などは注意して見るようにしています。」

岡村 「勝手なイメージですけど、ちょっと変わった選考をしてそうだったので、驚くほどオーソドックスで意外でした。」

光澤 「あとは、入社してからのギャップがないように、業界の特性上、お客様の都合に合わせて仕事をすると帰りが遅くなることもあるが、大丈夫か? 学生時代に何をやってきたか? 部活でもアルバイトでもなんでもいいので“頑張った”、“チャレンジした”と思える経験があるか、などは聞くようにしていますね。 変わった質問だと『もし1億円を手にしたら何に使いますか?』と聞いたこともあります笑」

岡村 「近年は面接の際に聞くことも難しくなってきました。」

光澤 「夢はありますか?というのは必ず聞くようにしています。 夢、というと大げさかもしれません。意味合いとしては『こんな車を買いたい』とか『一戸建てが欲しい』とか目標に近いかもしれませんね。とにかく、何かしらの目標を持って働いて欲しいと思っています。 ところが、最近はそういうのを『夢ハラ』って言うそうで、、、笑」

岡村 「じゃあ、うちはバリバリの夢ハラ企業です。入社して最初の仕事が『10年後の自分を描くこと』なので。話をしながら気づきました。うちは『夢ハラ』と思う人は入って来なくて結構。よそで活躍して下さい、と思いました。ちなみに、社長になってから、どのくらいの人数を採用したんですか?」

光澤 「社長になる前提で専務になっていたので、専務時代から採用の意思決定はしていました。社長になってからだと6~7人くらいじゃないでしょうか。専務時代も通算すれば15人くらいだと思います。ただし、入社前に3ヶ月の試用期間を設けています。応募者にも、もちろん選ぶ権利がありますし、実際に働いてみて『違うかも』ってなることもあるでしょうし。15人のうち、2~3人は試用期間で、『やっぱり違う』となった人がいたと記憶しています。」

 

「成功のシェア」と「失敗のシェア」

光澤 「成功といえるかは分かりませんが、新卒と中途を交えて3人同時に採用したことがあって、それは良かったと思っています。年齢は違っても同期がいると成長のフェーズが近くて悩みを相談しやすかったり、仕事以外でのコミュニケーションを取りやすかったり、多少の競争意識も芽生えるし、、、業績的に可能であれば今後も採用するなら複数人を同時に採用しようと思っています。」

岡村 「偶然にも、弊社もここ数年は2名同時に採用をしています。欠員が出るタイミングと業績が伸びて増員したいタイミングが同じだったこともあるのですが。ただ、本来なら欠員(退職)が出ないことが理想かもしれません。失敗したことでシェアできることはありませんか?」

光澤 「そうですね、、、過去に中途採用をした際に、マネジメント等の能力を期待して入社してもらったのですが、社風に合わない人を採用してしまい、結果的に退職に至ったパターンがありました。社風に合うかどうかよりも、スキル重視の採用をしたことが失敗要因ですね。 それ以降は中途採用をしていません。今後も新卒採用に力を入れていきたいと思っています。」

岡村 「採用のミスマッチって、雇用する側にとっては給与や教える時間などの経営リソースを持っていかれますし、雇用される側にとっても離職までが早いと次の転職をする際に不利に働くことがあるし、どちらにとっても不幸というか、良いところがないというか。」

光澤 「そうなんです。その失敗があったので、今の採用選考プロセスの中で、面接の際に経営指針書を見せながら会社説明をすることにしました。あとは、入社前(内定後)に開催している会社のイベント(花見や忘年会など)に顔を出してみない?って声をかけるようにしています。」

 

 

 

熊本マーケティング研究所に対して一言頂きました。

岡村 「では、最後に何か弊社に一言いただければと思います。」

光澤 「今年に入ってから一緒に案件を進めることが多くなって、パートナー企業としてお互いの強みを活かしつつ、弱みを補いつつ、一緒に成長していけたらと思っています!」

岡村 「ありがとうございます。うちの社員もアドシンさんと仕事をさせてもらうことで成長していると思います。こちらこそ、よろしくお願いします。」

 

感想

本当に色々とぶっちゃけでお話しいただいたので、ここには書けないようなこともたくさん教えてもらえました。普段から光澤さんとは、仕事の話もするし経営の話もするんですが、アドシンについてここまで詳しく話を聞いたのは初めてだったので、パートナー企業である会社を知ることが出来て、非常に良い時間となりました。 前回の竹本さんに引き続き「自社の雰囲気に合う人かどうか」というのは採用において重要なことですね。 雰囲気って言語化しにくく、暗黙知化しているからこそ、自社の採用基準を明文化することの大事さを感じました。

弊社のInMarkでは採用のミスマッチを防ぐべく、採用基準の言語化や、採用選考のプロセス作りなどの採用に関する社内の制度設計から、求人募集のアウターマーケティングまでをサポートさせていただいています。 もしこのブログを読んでいる方で、興味がある方はご連絡ください。しっかりと壁打ち相手になりながらサポートさせて頂きます。