《両立支援等助成金(介護離職防止支援コース)》
本記事では、従業員が仕事と介護を両立できるよう、計画的な支援体制の構築や柔軟な働き方の導入を行った企業を支援する「介護離職防止支援コース」について解説します。
《スケジュール》
・支給申請(介護休業):対象労働者が介護休業から職場復帰し、所定の期間継続雇用された後に申請を行います。
・支給申請(介護両立支援制度):対象労働者が短時間勤務などの制度を一定期間(合計20日または60日等)利用した後に申請を行います。
※利用する制度によって起算日や申請期限が異なるため、綿密なスケジュール管理が必要です。
《両立支援等助成金(介護離職防止支援コース)とは》
介護に直面した労働者と面談を行い「介護支援プラン」を策定した上で、同プランに基づき「介護休業」を取得・復帰させた場合、あるいは「介護両立支援制度(短時間勤務、時差出勤等)」を利用させた場合に支給される助成金です。また、業務を代替する労働者への手当支給や代替要員の新規雇用(業務代替支援)を行った場合も対象となります。
《目的》
家族の介護を理由とした従業員の離職(介護離職)を未然に防ぎ、仕事と介護を両立できる職場環境を整備することで、企業における中核人材の定着を図ることを目的としています。
《対象者》
雇用保険の適用事業主であり、中小企業事業主であること。
※対象労働者の制度利用前に、介護休業制度や介護両立支援制度を就業規則等に明文化していることが必須となります。
《補助上限額》
実施した支援内容に応じて、1事業主につき各メニュー5人まで定額が支給されます。
・介護休業の取得・復帰:40万円(連続15日以上の休業の場合は60万円)
・介護両立支援制度の利用:20万円〜最大40万円(導入した制度数や利用日数により変動)
・業務代替支援(新規雇用):20万円〜30万円
・業務代替支援(手当支給等):3万円〜10万円
※要件を満たす雇用環境整備の取組を行った場合、環境整備加算(10万円)が1回限り上乗せされます。
《より詳細な説明》
本助成金を受給するための最大のポイントは「介護支援プラン」の策定です。単に休業や制度を利用させるだけでなく、事前に人事担当者等と労働者で面談を行い、介護の状況、今後の働き方の希望、業務の引き継ぎ方法などを明記したプランを作成し、それに沿って支援を実施したというプロセスが厳格に審査されます。
《補助対象となる経費》
特定の経費に対する実費補助ではなく、事前の面談・プラン策定、就業規則への規定化、および規定に基づく介護休業の取得や制度利用という一連の要件を満たしたことに対して、定額が支給される仕組みです。
《主な注意点》
・「面談の実施」と「介護支援プランの作成」は、必ず労働者が介護休業や介護両立支援制度の利用を開始する「前」に行う必要があります。
・支給申請の際には、対象家族が要介護状態(要介護2以上など)であることを証明する書類の提出が求められます。
・制度利用終了後から1か月の間に、雇用形態や給与形態の不合理な変更(不利益変更)を行っている場合は支給対象外となります。