《両立支援等助成金(育休中等業務代替支援コース)》
本記事では、育児休業や短時間勤務を利用する労働者の業務を、周囲の従業員でカバーする体制を整備した企業を支援する「育休中等業務代替支援コース」について解説します。
《スケジュール》
・手当支給等の規定化:対象労働者の休業や短時間勤務が始まる前までに、業務代替者への手当支給規定等を就業規則等に整備します。
・支給申請(育休の場合):対象労働者が育休から復帰し、業務代替が終了した後に所定の期間内に申請を行います。
《両立支援等助成金(育休中等業務代替支援コース)とは》
育児休業を取得する労働者や、育児のための短時間勤務制度を利用する労働者の業務を、周囲の労働者が代替(カバー)した場合に、その代替労働者に対して手当を支給した事業主、または代替要員を新規で雇用した事業主を支援する制度です。
《目的》
育児休業や短時間勤務を利用しやすい職場環境を整備し、業務をカバーする周囲の労働者の負担感を金銭面等で軽減することで、仕事と育児の両立を企業全体で推進することを目的としています。
《対象者》
雇用保険の適用事業主であり、以下の要件を満たすこと。
・手当支給等による代替:常時雇用する労働者数が300人以下の事業主
・新規雇用による代替:中小企業事業主
《補助上限額》
【手当支給等(周囲の労働者でカバーした場合)】
・業務代替手当への助成:支給した手当総額の 3/4(月額上限10万円、短時間勤務の場合は月額上限3万円)
・業務体制整備経費(定額):休業代替は5万円(1か月未満は2万円)、短時間勤務代替は2万円
【新規雇用(新たに人を雇い入れた場合)】
・代替した期間に応じて 9万円 ~ 最大 67.5万円
※対象労働者が有期雇用労働者の場合は、さらに10万円の加算があります。
※1事業主につき1年度あたり合計10人まで申請可能です。
《より詳細な説明》
周囲の労働者で業務をカバーする「手当支給等」のメニューを利用する場合、代替する労働者に対して支払う「業務代替手当」等の賃金増額制度を、事前に就業規則や労働協約に規定しておく必要があります。また、手当の支給総額や業務の見直しに関する計画も明確にしておくことが求められます。
《補助対象となる経費》
・業務代替者に対して支給した手当等の増額分
・業務体制の整備(属人的な業務の見直し等)にあたり、外部の社会保険労務士等の専門家にコンサルティングを委託した費用(要件を満たせば経費助成が20万円に増額されます)
《主な注意点》
・業務代替手当の規定は、必ず「対象労働者の休業・短時間勤務が開始する前」に就業規則等へ明記し、労働基準監督署へ届け出る(または周知する)必要があります。
・新規雇用で代替要員を確保する場合、直接雇用だけでなく、派遣労働者の受け入れも助成の対象として認められます。