《建設労働者技能実習コース(人材開発支援助成金)》
本記事では、建設業の事業主が従業員に対して専門的な技能実習を受講させた際に、その経費や賃金の一部が助成される「建設労働者技能実習コース」について解説します。
《スケジュール》
・計画届の提出:原則として、技能実習を実施しようとする日の「1か月前」までに管轄の労働局へ計画届を提出する必要があります。
・支給申請:技能実習が終了した日の翌日から起算して「2か月以内」に行います。
《建設労働者技能実習コースとは》
建設事業主が、雇用する建設労働者に対して、建設工事に関する技能向上のための実習(労働安全衛生法に基づく特別教育や技能講習、技能検定の事前講習など)を実施、または外部機関に委託して受講させた場合に、経費や受講期間中の賃金の一部を助成する制度です。
《目的》
建設業における若年者等の育成と熟練技能の維持・向上を図ることで、建設労働者の雇用の安定と、業界全体の能力開発および技能継承を促進することを目的としています。
《対象者》
雇用保険に加入している中小建設事業主、または中小建設事業主団体等。
※女性の建設労働者を対象として技能実習を行う場合に限り、中小企業以外の建設事業主(大企業)も対象となります。
※同居の親族のみを使用して事業を行っている場合や、一人親方は対象外です。
《補助上限額》
1事業所あたり1年度につき最大 500万円(経費助成・賃金助成等の合計額)
【経費助成】
・従業員20人以下の企業:対象経費の 3/4(上限10万円)
・従業員21人以上の企業:対象経費の 7/10(上限10万円)
【賃金助成】
・従業員20人以下の企業:1人1日あたり 8,550円
・従業員21人以上の企業:1人1日あたり 7,600円
※賃金引き上げ等の要件を満たした場合は、さらに助成額が上乗せされます。
《より詳細な説明》
助成の対象となる実習は、実訓練時間が合計10時間以上である必要があります(一部の特別教育等を除く)。また、対象労働者が35歳未満の若年者である場合や、建設キャリアアップシステム(CCUS)に技能者情報を登録している場合は、助成率や助成単価が優遇される仕組みが設けられています。
《補助対象となる経費》
【事業主自ら実習を実施する場合】
・外部の指導員に対する謝金および旅費
・実習場所や建設機械の借上料
・実習に直接必要な教材費等
【外部の登録教習機関等で受講させる場合】
・教育訓練機関に支払う受講料(入学料、教科書代を含む)
《主な注意点》
・日常の業務に就かせたまま行う実習(OJT)や、営業活動の一環として行うものは助成対象となりません。
・所定労働時間外や休日に実習を受講させた場合は、労働基準法に基づく割増賃金等を適正に支払っていることが支給の必須条件となります。
・原則として、実習が開始される前に労働局への計画届の提出が完了している必要があります。