《人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)》
本記事では、新規事業の立ち上げやDX・GX化に伴い、新たな分野で必要となるスキルを従業員に習得させるための訓練経費等を支援する「事業展開等リスキリング支援コース」について解説します。
《スケジュール》
・計画届の提出:訓練開始日の「6か月前から1か月前まで」の間に、管轄の労働局へ職業訓練実施計画届等を提出する必要があります。
・支給申請:訓練終了日の翌日から起算して2か月以内に行います。
※必ず訓練開始前に計画届の提出が必要です。
《人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)とは》
企業が新規事業への進出(事業展開)を行う場合や、社内のデジタル化(DX)やグリーン化(GX)を進めるにあたり、従業員に対して新たな業務に必要な知識や技能を習得させるための職業訓練(10時間以上)を実施した際に、高い助成率で経費等を支援する制度です。
《目的》
事業主の事業展開や、デジタル化・脱炭素化といった環境変化への対応を人材育成の側面から強力に後押しし、企業の持続的な成長と労働者の雇用の安定を図ることを目的としています。
《対象者》
雇用保険適用事業所の事業主であり、以下の要件等を満たすこと。
・「職業能力開発推進者」を選任していること。
・「事業内職業能力開発計画」を策定し、従業員に周知していること。
・事業展開、または社内のDX化・GX化に関する経営方針や事業計画を策定していること。
《補助上限額》
・経費助成率:75%(大企業は60%)
・賃金助成:訓練受講1時間あたり 1,000円(大企業は500円)
※1人1訓練あたりの経費助成限度額は、訓練時間に応じて30万円〜50万円(中小企業の場合)に設定されています。
《より詳細な説明》
本制度は、完全に新規事業を始める場合だけでなく、既存の事業の枠組みの中で「製造方法や提供方法を変更する(例:紙の図面から3D CADシステムへの移行)」といったケースも「事業展開」等として広く対象となります。実施予定だった事業展開を会社の方針変更で途中で取りやめた場合でも、訓練を実訓練時間数の8割以上受講していれば助成の対象となり得ます。
《補助対象となる経費》
・外部の教育訓練機関等へ支払う入学料、受講料、教科書代等(10時間以上のOFF-JTが対象)
※所定労働時間内に受講した訓練については、賃金助成も対象となります。
《主な注意点》
・職務に直接関連しない趣味・教養的な内容や、通常の業務活動(自社製品の操作説明や通常のマニュアル作成等)と見なされるものは対象外です。
・eラーニングや通信制による訓練については、経費助成のみとなり「賃金助成」は対象外です。
・従業員に訓練経費を一部でも負担させた場合は、不支給となります。