《人材開発支援助成金(人材育成支援コース)》
本記事では、従業員に対して職務に関連する専門的な知識や技能を習得させるための職業訓練を実施した際に、訓練経費や受講中の賃金の一部が助成される「人材開発支援助成金(人材育成支援コース)」について解説します。
《スケジュール》
・計画届の提出:訓練開始日の「6か月前から1か月前まで」の間に、管轄の労働局へ職業訓練実施計画届を提出する必要があります。
・支給申請:訓練終了日の翌日から起算して2か月以内に行います。
※必ず訓練が始まる前に計画届の提出と受理が必要です。事後申請は認められません。
《人材開発支援助成金(人材育成支援コース)とは》
企業が自社の従業員(雇用保険被保険者)に対して、業務に必要なスキルアップを目的とした10時間以上の職業訓練(外部研修の受講や、社内での座学・実習など)を計画的に実施した場合に、その費用負担を軽減する制度です。
《目的》
労働者の段階的かつ体系的な職業能力開発を効果的に促進し、企業の生産性向上と人材の定着を図ることを目的としています。
《対象者》
雇用保険適用事業所の事業主であり、以下の要件等を満たすこと。
・「職業能力開発推進者」を選任していること。
・「事業内職業能力開発計画」を策定し、従業員に周知していること。
※対象となる労働者は、自社の雇用保険被保険者です。
《補助上限額》
・1事業所あたりの支給限度額:1年度につき最大 1,000万円
・経費助成率(中小企業の場合):45%(一定の賃金引き上げ要件等を満たした場合は60%)
・賃金助成(中小企業の場合):訓練受講1時間あたり 800円(賃金引き上げ要件等達成で1,000円)
※1人1訓練あたりの経費助成限度額は、訓練時間に応じて15万円〜50万円(中小企業の場合)に設定されています。
《より詳細な説明》
本コースには、主に3つのメニューが用意されています。一般的な外部研修や社内研修を対象とする「人材育成訓練」、現場での実習(OJT)と座学(OFF-JT)を組み合わせた「認定実習併用職業訓練」、有期契約労働者(パート・契約社員等)の正社員化を目的とした「有期実習型訓練」です。自社の課題や対象者に合わせて最適なメニューを選択できます。
《補助対象となる経費》
・事業外訓練(外部研修):受講に際して必要となる入学料、受講料、教科書代等
・事業内訓練(社内研修):外部講師への謝金・手当(上限あり)、外部講師の旅費、会場や設備の借上費など
※訓練期間中の所定労働時間内に支払われた賃金も「賃金助成」の対象となります。
《主な注意点》
・所定労働時間外や休日に実施した訓練は、割増賃金を支払っていても「賃金助成」の対象外となります。
・従業員に訓練経費を一部でも負担させた場合は、助成金全体が不支給となります。全額を会社が負担することが必須です。
・職務に直接関連しない趣味・教養的な内容や、通常の業務活動(自社製品の説明会や通常のマニュアル作成等)と見なされるものは対象外です。