コラム

Column

蹞歩 ~社内会議のススメ~

社内会議ってしてますか?

はい、第3回の蹞歩となりました。(第1回)(第2回) 今回は、社内会議について書きたいと思います。

先に結論だけお伝えしますと、現在弊社では月に4回の社内会議を行っています。(案件ごとの打ち合わせとかは別で、会社の課題や将来のことについて話す場です)

なんか、社内会議が多い会社って、非効率とか、生産性が悪そうとか、そんなイメージがありませんか?実際に、私もそうでした。(今も、それが全く無いわけではありません) しかし、しっかりと目的や役割を設定すればそんなことも無いのかな、と思い始めているので、このブログを読んでくださっている方とは大いに議論したいと思っています。

 

経営者の学びと社員の成長をつなげるため

初めて読む方もいると思いますので、改めて説明しておきますと、弊社は2020年の4月に創業しました。前職からのメンバー4名で事業を開始したため、創業までの話し合いや意思決定のための打ち合わせ何度も重ねましたが、現在やっている形の社内会議は、創業して1ヶ月後に開催しました。

私が代表になってということもあり、今後をどのようにしていくか?ということを話すためのものです。それからは、毎月1度だけ、定例の社内会議をしていきました。会議の内容は主に営業状況(売上や見込み案件の確認など)の把握や共有をすることと、社内のルールづくりについてです。

一番細かいことだと、スリッパ(社内履き)を置く位置や数台あるエアコンをどれからつけるのか、などです。そんなことまで会議で決めるの?とお思いでしょうが、会社を始めてすぐって、とにかくルールがないんですよね。それぞれが自分が快適に過ごせるようにしていると、来客があった際に散乱しているスリッパを見てどう思うか、などマーケティングの原点でもある顧客視点で考えることを重視しました。

創業して半年が経過し、私は「熊本創生企業家ネットワーク」さんや、「熊本中小企業家同友会」さんに入会して経営者としての勉強をスタートしました。今までは、マーケターとして、経営コンサルタントとしてはクライアントさんにサービスを提供してきましたが、会社を成長させるためには経営者自身の学びが不可欠であることは感じていたからです。

入会後、色々な学びに触れ、これを社内でも共有することで社員も同じように成長してほしいと考えるようになりました。

 

社内勉強会の開始

通常では1時間半~2時間、定例の社内会議をしていたのですが、その資料を事前に共有し、不明点のすり合わせや話し合いだけを行うようにし、情報共有の時間をグッと減らしました。その分を、社内勉強会に充てることにしたのです。定例の社内会議を開始して約1年後、2021年の6月からです。

会社とは?給与とは?などかなり初歩的なことから行いました。もちろん、みんな頭では分かっている内容だったと思います。しかし、私が伝えたかったのは、一般論ではなく、「熊本マーケティング研究所は、会社について、給与についてどのように考えているか」です。ググったら出てくるような内容を、わざわざ社員全員集めてやることではないですしね。

その後、経営指針を作ったこともあって全部で3回ほど、会社の理念やビジョン、経営指針について話をして、それに基づいた単年度計画までを社内で共有しました。どこまで社員の心に落とし込めているかは、これから時間が経つにつれて分かってくるでしょう。

 

事業部ごとの会議開催

そこから、ここ数ヶ月の話ではありますが、社内会議を事業部ごとに実施してもらうことにしました。経営指針を作り、理想となる10年後の組織図を描いたときに、今の社員が幹部的な位置にいてくれたら助かるし、そうなるためには成長してもらうしかないと思ったからです。

現在、「経営サポート事業部」「補助金サポート事業部」「人材育成サポート事業部」の3事業部があるので、それに今まで行っていた定例の社内全体の会議を加え、全4回の社内会議が開催されることになりました。ようやく、冒頭にお話した4回の社内会議にたどり着いたわけです。

事業部ごとに事業部ミッションや長中期計画を考えて、その実行のための単年度計画や事業部内の実施体制を考えていくことで、今までフワッとしていた10年後の会社の姿の輪郭が見えてきました。

これは、かなり副次的な効果で、実は1回の定例の社内会議の時間が長くなって、集中力が保てないから「どうせ長い時間やるなら分けてやろう」と思ったのがきっかけです。そこから、「どうせやるなら、人の成長につながる形にしたいな」「責任感ってどうしたら醸成できるのかな」とかを考えていたら、それっぽい形にすることができました。

 

経験シェア

私より大きい規模の事業を経営されている方から見たらひよっこですが、これから事業を起こす人や、同じくらいの規模で悩んでいる方に、今回の社内会議の件が何かヒントになるといいなと思い、経験をシェアさせていただきますね。

①アウトプットする機会として重要

まず、経営者と従業員が同じ目線で考えることはかなり難しいと思います。しかし、話す機会を増やすことで近づけることはできるんじゃないかな?と感じはじめているところです。継続してみないとわからないですが、経営者として学んだことを従業員に向けてアウトプットするいい機会にはなると思いますよ。(学んでいない経営者は論外なので、まずは学ぶところから始めてください)

 

②PDCAを回すこと

僕は経営がまだまだ下手くそなので1年以上かかりましたが、社内会議をすることで会議自体の改善点も見えてきます。(惰性で続けず、常に改善点を見つけようとする姿勢は当たり前にもってください)  社内会議の悪しきイメージである非効率や生産性の低さというのは、この惰性で続けることで生まれたイメージだと思います。創業して1ヶ月後にやっていた社内会議と現在では、内容も、実施の方法も全く違うものになっています。正直、弊社は今のやり方だと人や会社の成長につながるという実感はあります。(もちろん、これからもPDCAを回し続け、改善していきますけどね)

 

③ファシリテーションのスキル

社内会議とはいえ、人数が集まると話題がそれたり、時間内に話がまとまらないことも出てきます。特に営業職に近い事業の方は、クライアントや営業先との商談や打ち合わせを上手くクロージングするためのスキルは磨かれると思います。トークスキルもそうですが、上手く合意形成しようと思ったら「準備」がめちゃくちゃ大事なんですよね。例えば、会議資料を準備して事前に共有するだけでも、説明の時間を大きく省けるので話し合いに時間を割けます。また、不明点や対立する意見を事前に把握しておくだけでも、会議の前に落としどころとなる案を考えておくこともできますよね。

 

④属人性を言い訳にしない

製造業や小売の方には少し実感の無い話かもしれませんが、営業系の業種だと、仕事が受注できるかどうかって、けっこう「人」の要素が強くて、仕組み化できている会社は別ですが、だいたいの中小企業は「この人にしかできない」に悩んでいるのではないでしょうか。弊社は、事業部や部門ごとに担当者を設置して、主体的に考える環境をまず準備してみました。(結果がどうなるかはこれからですので、偉そうなことは言えませんが) 経営者にできる唯一のことは、その人に成長やチャレンジの機会を与えること、かなと思っています。チャンスがないのに成長しろっていうのも無理な話ですよね。クライアントワークでチャンスを与えることも大事ですが、そこで失敗すると会社的にも本人的にも、けっこうキツいかもしれません。(高ければ高い壁の方が、登ったとき気持ちいいもんだ はあるんですけどね)

まずはリスクのあまりない社内的な役割分担とか、社内会議くらいからはじめてみるのはどうでしょうか?

 

議論は大歓迎です

さて、今回はかなり持論を展開しました。まず、弊社くらいの会社規模で、同様の課題をお持ちの会社の代表者さんで違う考えを持っている方には、ぜひお話を聞いてみたいですね。今回の話は、現在の会社規模で、将来的な目標にむかって必要なこととして実施しているので、単に方法論ではありません。

業種が違えば不要な部分も出るでしょうし、規模が違えば同じような実施方法では難しいでしょう。もし、ある程度の規模の会社さんで、「うちがそのくらいの時はこうしてたよ」とかは大好物です。

ちょっと真面目に書きすぎましたね。この辺で。