補助金と聞くと、多くの人がまず思い浮かべるのは「もらえるお金」そのものだと思います。もちろんそれも大きな魅力ですが、補助金の力はそこだけではありません。「事業がつぶれにくくなる」「投資回収のスピードが速くなる」この2つも、補助金が持つ効果です。これから補助金を使ってみようかな、という方に向けて補助金活用の意義について整理してみます。
事業が「つぶれにくく」なる
新しい設備を入れたり、新規事業を立ち上げたりするとき、最初にまとまったお金がかかります。この初期投資が重くのしかかると、「毎月これだけは売らないと赤字」というハードルがグンと上がってしまいます。補助金は、このハードルそのものを下げてくれます。1,500万円の設備を、補助金を使って自己負担500万円で導入できたとします。すると、その設備のために毎月背負う負担も軽くなります。負担が軽くなるということは、「最低限これだけ稼がないと赤字」という売上のラインが下がるということ。つまり、赤字に転落しにくい状態を作れるということです。大きな設備投資を行う際などには強力なサポートになります。
例えば1,500万円の投資で、年間300万円の利益(またはコスト削減)が見込めるとします。
■自己資金だけで払った場合
実際に出したお金:1,500万円
元を取るまで:約5年
■補助金(3分の2補助)を使った場合
実際に出したお金:500万円(残り1,000万円は補助金)
元を取るまで:約1年半
同じ投資、同じ利益なのに、元を取るまでの期間が5年から1年半に縮みます。5年先の景気やお客さんの動きを正確に読むのは、正直かなり難しい。しかし1年半先くらいなら、まだ見通しが立てやすい。「投資したはいいけれど、状況が変わって元が取れなかった」という事態を避けやすくなります。しかも早く元が取れれば、戻ってきたお金を次の一手に早く回せます。攻めのスピードそのものが上がります。
注意点
ただし、注意点をあげるならば「お金が入ってくるタイミング」には気をつけてください。補助金は基本的に「後払い」です。「採択されました」となっても、すぐ振り込まれるわけではありません。まずは自己資金や銀行のつなぎ融資で「いったん全額を自分で払う」必要があります。あとから補助分が精算されて戻ってくる、という流れです。そのため、一時的に手元のお金が大きく減ります。「元が取れるスピード」の計算とは別に、運転資金は必ず余裕をもって用意しておくことが大切です。このほか、何にでも補助が出るわけではなく対象になる経費に決まりがあること、税金の扱いも少し複雑になることには注意が必要です。このあたりは、実際に進めるときに税理士や専門家へ一度確認しておくと安心です。
まとめ
補助金の本当の価値は、単に「お金がもらえる」ことだけではありません。
①事業がつぶれにくくなる(=リスクが下がる)
②投資の元が取れるスピードが速くなる(=攻めが速くなる)
この2つを味方につけられれば、補助金は「リスクを抑えながら、ライバルより速く事業を広げる」ための強力な追い風になります。まずは自分の投資計画に当てはめて、「元が取れるスピードがどれだけ変わるか」を計算してみるところから始めてみてください。
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熊本マーケティング研究所は認定経営革新等支援機関です。認定経営革新等支援機関とは、中小企業・小規模事業者が抱える経営課題の解決を支援する機関として、国(中小企業庁)から認定を受けた専門家・機関を指します。専門知識と実務経験を有すると認められた税理士や弁護士、金融機関、商工会・商工会議所、一部のコンサルティング会社などが該当します。財務内容の分析や事業計画の策定支援、その後のフォローアップなどを通じて中小企業の経営を多面的にサポートします。また、補助金や税制の中には「認定支援機関の関与」が申請要件や加点対象とされているものもあります。