コラム

Column

混沌としたAI時代にしぶとく生き残るためのPrice戦略セミナー振り返り 2026/7/4(土)開催

開催概要

日時 : 2026/7/4(土) 10:30~12:30
会場 : 熊本市現代美術館 会議研究室
内容 :混沌としたAI時代にしぶとく生き残るためのPrice戦略セミナー
講師 : 野田 陽介(ZOOTRIPPER代表)

 

当日の内容

今回のセミナーではAI時代における価格戦略について以下の内容について講義していただきました。
1.形がないものはプライシングが難しい
2.4P戦略
3.適正価格
4.AIとプライシング
5.ワーク

【講師プロフィール】
野田 陽介(ZOOTRIPPER代表)
ウェブ制作会社ZOOTRIPPER代表、クリエイティブと企画とマーケティングの融合をテーマに多くのクリエイターとチームを組み多様な仕事を行っている。また専門学校非常勤講師やクリエイティブイベントWHITEBASEの代表など熊本のクリエイティブ支援活動にも注力されています。

 

◎無形物の価格設定とAIによる複雑化

ウェブサイト、ロゴデザイン、コンサルティングなどの「無形物」は仕入れがなく原価が見えにくいため、価格設定に大きな幅が生まれます。実際、熊本のロゴデザインは平均10万円とされながら、8万円から150万円まで幅があることも…。
そこにAIの登場が加わり、顧客がAIで自作できてしまうという選択肢が生まれたことで、専門家に高額を支払う価値そのものが問われるようになりました。これは制作業に限らず、会計・コンサル・教育・翻訳・ライター業など幅広い分野で起きている変化です。

 

◎安売り競争の反省と「適正価格」への転換

ここ数十年の日本は、「いかに安く良いものをつくるか」という価格競争が主流でした。280円の牛丼や0円スマホなどが象徴的な例ですが、その結果として企業の利益率は悪化し、家電業界の再編や国内メーカーの淘汰を招きました。
これからは良いものを安くではなく良いものを適正な価格で売る時代。そのためには原価・人件費・必要経費を正確に把握し、利益がきちんと生まれる価格設定を行うことが基本となります。

 

◎AI時代のプライシング戦略

■心理・購買行動に働きかける手法
アンカリング(松竹梅の法則)、心理価格(端数価格)、希少性の訴求など、価格そのものよりも「見せ方・比較のさせ方」によって顧客の意思決定を後押しする手法です。最初に見る価格や数字の見え方一つで、お得感や納得感は大きく変わります。
■収益モデル・売り方を設計する手法
サブスクリプション、フリーミアム、バンドル価格など、単品でいくらにするかではなく、どういう単位・形で価格をつけるかを設計する手法です。継続的な顧客との関係構築や、無料から有料への移行導線をつくることができます。
■需要・戦略に応じて価格を変動させる手法
ダイナミックプライシング、ロスリーダー戦略など、需要の変化や商品ごとの役割(集客商品/利益商品)に応じて価格を柔軟に変える手法です。

これらはいずれもAIとの相性が良く、自社データの分析や価格帯のリサーチをAIに任せることで、これまで相談相手がいなかったプライシング戦略の検討ハードルが下がります。一方で、AIは重要な意思決定の代わりにはなりません。答えがすぐ手に入る時代だからこそ、人と話す中で生まれるプロセスや思いこそに価値があります。AIに聞けば分かることが増えるほど、あえて人と関わる時間をつくること、AIに代替されない自分の軸を持ち続けることが大事になってくるというお話が印象的でした。

 

ワークショップ

ワーク:未来のプライシングをしよう
①5年後の自分(自社)価値の変化
②それに伴うPriceの変化
の2点を考えるワークを行いました。当日学んだAIの影響・プライシングテクニック・物価高やインバウンドといった外部環境の変化を踏まえてワークに取り組みました。

 

まとめ

今回のPrice実践編では、無形物とAIによって複雑化する価格設定を、原価・人件費・必要経費に基づく適正価格という基本に立ち返って考える思考法を学びました。そのうえでサブスクリプションやアンカリングといった具体的な手法を組み合わせ、AIを分析・壁打ち相手として活用することで、自社に合った価格戦略を磨いていくことができます。一方で、重要な意思決定はAIに任せない、AIに代替されない自分の軸を持つ、人間関係を大切にするといった姿勢も忘れずにいたいと感じたセミナーでした。次回は4P最後となるPromotion。自然と選ばれ続けるための「伝わる仕組み」を学んでいきます。

 

次回予告

次回のワークショップセミナーは、以下の通りです。
【タイトル】
「売り込まない」のに売れる会社の共通点とは~選ばれる伝え方のつくり方~
【講師】
高宗 将(株式会社熊本マーケティング研究所)
【日時】
2026/8/1(土)10:30~12:30(開場10:15)
【お申し込み】
こちらの「ワークショップセミナー申し込みフォーム」よりお申し込みください。