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【2024年度 基礎マーケティング講座】の振り返り 2024/3/9(土)開催

開催概要

日時 : 2024/3/9(土) 10:30~12:30
会場 : 熊本市現代美術館 会議研修室
内容 : 中小企業の勝ち筋を見つける!3C分析入門セミナー
講師 : 髙宗 将(株式会社熊本マーケティング研究所)

 

基礎マーケティング講座とは?

STP分析などの環境分析から、マーケティングミックス(4P)まで基礎を学ぶための講座です。参加者同⼠でのワークショップなど、即実践ができる体験型の勉強会となっています。初⼼者向けですが、⾃分以外の意⾒を聞くことで新たな発⾒がありますので、基礎から⾒直したいという⽅、改めて学び直したいという⽅にもおすすめです。

 

2024年度の勉強会について

2024年度の年間テーマは「ブランディング」です。ブランディングといっても考え方、手法は様々あります。ブランディングの基本理論から、実践的な考え方までを、年間を通して総合的に学べるカリキュラムとなっています。ぜひ年間を通して「ブランディング」を学べますので参加をお待ちしています。

 

当日の内容

1.3C分析について
2.ワークショップ

当日はブランディングにおける、「3C分析」について座学・ワークショップを通してお伝えしました。今回のセミナーレビューにつきましては、この中からいくつか内容を抜粋して、皆さんに伝えたいと思います。

 

ブランディングとは

突然ですが、ブランディングって何か答えられますでしょうか?

前述の通り、今年のテーマは「ブランディング」です。そのブランディングの方向性を決める上でマーケティング環境の分析が必要となり、今回は代表的なフレームワーク「3C分析」についてのセミナーです。なので「ブランディングが何かわからない!」という方は、1月の勉強会で「ブランディングとは何か?」についてお伝えしておりますので、1月の振り返りをご覧になってから読み進めていただけると、よりスムーズに本セミナーの内容をご理解いただけるかと思います。

>>> 1月20日開催「 中小企業が結果にコミットするためのブランディング入門塾」振り返り

 

3C分析とは

3C分析は外的要因と内的要因から自社や商品・サービスの置かれている環境を分析するものです。3C分析は3つの単語の頭文字を取って命名されたフレームワークです。
Customer 顧客(市場)
Competiotr 競合
Company 自社

この3つの観点から分析することで、ブランディングの方向性を明確にしていきます。

 

中小企業の3C分析

一般的に3C分析は「Customer(市場・顧客)⇒Competitor(競合)⇒Company(自社)」の順番で分析していきます。しかし、中小企業の場合は「Company(自社)⇒Customer(市場・顧客客)⇒Competitor(競合)」の順番で行うのが効果的だと、熊本マーケティング研究所では考えています。セオリー通り「Customer(市場・顧客)」から分析をしようとすると、調査に多額の費用が掛かってしまったり、そもそも収集できる情報が少ない場合があります。大企業であれば、セオリー通りの順番で進めれますが、中小企業の場合は「自社がどういう方向性で進んでいきたいか」を、決めてから市場や顧客・競合といった分析に移ったほうが、効果的でスムーズに進めることができます。

【Company(自社)】
「Company(自社)の分析」では、自社の強みや弱み、顧客からどういった評価を受けているかについて調査分析を行います。自社分析の代表的なフレームワークとしてはSWOT分析・クロスSWOT分析があります。この分析手法については、4月20日の勉強会で2時間かけてしっかりお伝えしていきますのでご興味ある方はぜひお申込みください!

関連コラム

>>>マーケティングフレームワーク①SWOT分析

【Customer(市場・顧客)】
Customer(市場・顧客)では顧客の属性や、顧客のニーズなどについて分析していきます。
使用する体表的なフレームワークとしては、PEST分析(マクロ分析)とファイブフォース分析(ミクロ分析)があります。

■PEST分析
政治(Politics)
経済(Economy)
社会(Society)
技術(Technology)

上記4つの単語の頭文字を取って名付けられたフレームワークです。自社を取り巻く外部環境を、「政治」「経済」「社会」「技術」の4つの環境要因に分けることで、自社に与える影響を予測するための分析手法です。

■ファイブフォース分析
業界内での競争
業界への新規参入者
代替品の存在
買い手(顧客)の交渉力
売り手(サプライヤー)の交渉力

7月の勉強会でしっかりお伝えしていきますので、ご興味ある方はぜひお申込みください!

【Competitor(競合)】
Competitor(競合)の分析では、競合他社のシェアや現状、競合他社の強みや弱みを洗い出して分析していきます。ここでは4Pを使用することで分析がしやすくなります。4P は自社の分析にも使用できますので、自社と競合の4Pを作成することで、比較もしやすくなります。

■4P分析
Product(商品)
Place(流通)
Price(価格)
Promotion(販売促進)

上記4つの単語の頭文字を取って名付けられたフレームワークです。

【”かつや”の事例】
3C分析の活用事例として、とんかつ専門店「かつや」の事例を取り上げました。

■顧客:Customer
・外食需要の高まりとともにニーズが多様化
・女性層、ファミリー層の利用が拡大
・従来男性向けとされていた業態(牛丼チェーン)なども女性の利用が増えている
・女性向けのメニューが期待される一方、従来からの男性客のニーズは不変のまま根強い

■競合:Competitor
・女性客の取り込み策に向けた施策
・女性客やファミリー層に向けてメニュー開発、発信ともに活発に行っている

■自社:Company
・「とんかつ」専門、とんかつには自信がある
・男性客からのがっつり食べれるとの需要は高い
・女性客向けのメニュー開発・提供を進めている
・ただし業績は低迷し、成長が停滞している

2006年の当時、業績が低迷していた「かつや」ですが、自社の状況を把握し事業の方向性を決めることで業績を回復していきました。当時の「かつや」を3C分析すると上記のような状況が見えてきます。ここから、「男性客」に向けたメニューに集中することで回復していった良い事例として取り上げました。

【ワークショップ】
当日は3C分析を体験できるワークショップを行いました。3C分析の考えを落とし込んだワークシートを使っての個人ワークと、隣の方とお互いのシートを見比べて、質問をし合う時間を設けました。質問し合うことで一人では見落としてしまっていた視点や、さらに深く考えることに繋がるワークになりました。

 

まとめ

今回は、ブランディングにおける方向性を決めるための3C分析を行いました。参加された方の多くが自社についてはスラスラと埋められる一方で、競合や市場については手が止まってしまう方も見受けられました。競合や市場について、自分が「知らない」ということを知ることも大事なことです。外部環境が分からない状態ではブランディングや戦略の方向性は決めにくいですし、ズレたものを作ることにも繋がってしまいます。また、当日のワークについて「他の参加者の方と質問し合えたのが良かった」というご意見もいただきました。自分だけや、自社の人だけではなく、第三者的視点を入れて考えることは非常に有用です。特に「競合をどう設定するか?」や「自社の何がどんな評価をされているのか?」という部分については第三者の意見を聞くことで有効に分析ができます。熊本マーケティング研究所では、専門知識を持ったマーケターが伴走してマーケティングを支援するサービスを提供しております。ご興味がある方はぜひお問い合わせください。

>>>マーケティングサポート「Labout」

 

次回予告

次回の勉強会は、以下の通りです。

日時 : 2024/4/20(土) 10:30~12:30(開場10:15)
会場 : 熊本市現代美術館(会議研修室)

内容 : 「行き当たりばったりからの卒業!!誰でも簡単にできる事業戦略の作り方SWOT分析入門」

講師   : 溝口 敏博(熊本マーケティング研究所 取締役)

申込 : お申し込みはこちら