コラム

Column

【2024年度 基礎マーケティング講座】の振り返り 2024/1/20(土)開催

開催概要

日時 : 2024/1/20(土) 10:30~12:30
会場 : 熊本市現代美術館 会議研修室
内容 :   中小企業が結果にコミットするためのブランディング入門塾
講師 : 岡村 洸斗(株式会社熊本マーケティング研究所)

 

基礎マーケティング講座とは?

STP分析などの環境分析から、マーケティングミックス(4P)まで基礎を学ぶための講座です。参加者同⼠でのワークショップなど、即実践ができる体験型の勉強会となっています。初⼼者向けですが、⾃分以外の意⾒を聞くことで新たな発⾒がありますので、基礎から⾒直したいという⽅、改めて学び直したいという⽅にもおすすめです。

 

2024年度の勉強会について

2024年度の年間テーマは「ブランディング」です。ブランディングといっても考え方、手法は様々あります。ブランディングの基本理論から、実践的な考え方までを、年間を通して総合的に学べるカリキュラムとなっています。ぜひ年間を通して「ブランディング」を学べますので参加をお待ちしています。

 

当日の内容

1.ブランディングについて
2.ワークショップ

当日はマーケティング会社の視点から、「ブランディング」について座学・ワークショップを通してお伝えしました。今回のセミナーレビューにつきましては、この中からいくつか内容を抜粋して、皆さんに伝えたいと思います。

 

ブランディングとは

■マーケティングとブランディングの関係
ブランディングを熊本マーケティング研究所では、マーケティングの一手法として捉えています。そのため、ブランディングについてお伝えする前に、「マーケティングとは何か?」を定義しておきます。マーケティング(Marketing)とは、セリング(Selling)つまり、「売ること」を不要にする活動と定義しています。「売ろう」とするのではなく、「買いたい!」と思ってもらうための活動とも言い換えられます。

 

■ブランディングとは?(Brandについて)
前項でブランディングはマーケティングの一手法で、「買いたい!」と思ってもらうための活動であるとお伝えしました。では、本題の「ブランディングとは何なのか?」を詳しく説明していきます。まず、ブランディングという言葉に注目して解説いたします。ブランディングは英語で「Branding」と書きますが、Brand+ingに分けることが出来ます。そのうち、ブランド(Brand)という言葉は、『焼き印をつける』という意味の「ブランドル(Brandr)」が語源と言われています。放牧した自分の牛が、他人の牛と紛れてしまわないように、焼き印を付けたことがこの言葉の語源とされています。商品や企業に置き換えると、たくさんの商品や企業がある中で、自社の商品や自社のことを認識してもらうための、『印』ということになります。『印』とは何かというと、「このブランドは高級だよね」や「安全だよね」というように、ターゲットユーザー達の脳内に共通のイメージを形成することです。そうすることで、ターゲットユーザーに選ばれやすくなる、つまりセリング(Selling)を不要にすることに繋がります。

 

■ブランディングとは?(ingについて)
ブランドとは商品・サービス・企業を認識してもらうための『印』だとお伝えしました。では、どうすれば消費者にブランドを認識してもらえるでしょうか。例えば、「ロゴを作っただけ」「名前を付けただけ」で消費者に共通のイメージを持ってもらうことはできるでしょうか。熊本マーケティング研究所では、ブランディングをブランドを作った後にその価値を積み上げていく、現在進行形(ing)の活動であると捉えています。

 

■ブランディングの結果とは?
ブランディングとは非常に曖昧な概念です。そのため「どうなったらブランディングできた」と言えるのか、理想の状態を数値化し、その数値を最適化していく活動が必要です。設定する数値は様々考えられます。例えば、ブランドの認知率であったり、好感度であったり、超過収益力と呼ばれる他社と性能は同等でも、高い値段で取引されているなど、そのブランドの理想の状態を把握し、適した数値を設定していきます。

 

ワークショップ「ブランド作り」

ブランディングについて全てをお伝えすることは、2時間の勉強会の中ではできないため、今回はブランド作りについてワークショップを交えてお伝えいたしました。弊社ではブランディングを画像のようなファネルで捉えています。上半分がブランド作り、下半分がブランドの最適化フェーズです。セミナーでは、ワークシートを活用して、ファネルの上半分、ブランド作りのフェーズをご体験いただきました。

 

① ブランドオーナーヒアリング
ブランディングを行うにあたり、経営者の方や担当者の方などブランドオーナーへ「どんなブランドにしたいのか」ヒアリングを行っていきます。なぜやるかというと、ブランディングがマーケティングの一手段であるように、マーケティングも経営の一手段であるからです。どういう風に経営していくかが見えないと、マーケティングもブランディングもやりようがありません。まず経営理念と経営計画をヒアリングして、ブランディングにより目指す理想の状態を明確にしています。勉強会では、SWOT分析の考えを取り入れたワークショップを実施しました。

SWOT分析については、今年の5月11日に勉強会を開催しますので、詳しく聴きたいという方はお申し込みお待ちしております。

SWOT分析についてはこちらもご覧ください!
>>>>コラム:マーケティングフレームワーク①SWOT分析

 

② ユーザーリサーチ
ブランドオーナーが思う「こうなりたい」という目的地と、そのブランドに対するターゲットユーザーのイメージ(現在地)を明確にすることで、目的地までの距離(ギャップ)が分かります。ギャップが分かれば、目的地を目指していくブランディング戦略の設計ができるようになります。ユーザーリサーチの代表例としては、「調査票調査」と「インタビュー調査」があります。調査票調査はアンケート用紙やアンケートフォームを用いた調査で、回答者が一人で取り組むことが出来ます。集計がしやすく、大規模に調査を行う際に適した調査手法ですが、回答の微妙なニュアンスは拾えないというデメリットがあります。インタビュー調査は、回答者に対して質問者が質問をしていく調査手法で、微妙なニュアンスが拾える反面、大規模に行おうとすると非常にコストや、労力がかかる手法でもあります。また、ユーザーリサーチに合わせて市場の分析を行う必要もあります。市場分析が必要な理由としては、既に「A」というブランドがある市場に同じ「A」というブランドを投入した場合、「うちのAの方を買ってくれ!」というセリングが発生してしまうためです。

市場の分析については、今年の7月13日にPEST分析・5フォース分析について勉強会を開催し詳しくお伝えしますので、ご興味があるという方はお申し込みお待ちしております。

PEST分析・5フォース分析についてはこちらもご覧ください!
>>>>コラム:PEST分析?ファイブフォース分析?外部環境分析のためのフレームワークを紹介

 

③ STP分析
自社とユーザーについて考えた後は、STP分析を使って、どんなブランドを目指していくか、ブランドのポジショニングを定めていきます。当日はSTP分析を用いたワークショップを行いました。

今年の9月7日にSTP分析について勉強会を開催しますので、詳しく聴きたいという方はお申し込みお待ちしております。

STP分析についてはこちらもご覧ください!
>>>>コラム:「STP分析」とは?最適なセグメンテーションとポジショニングの方法を解説

 

④ ブランドプロポジション
STP分析で定めた、ポジションを踏まえてブランドプロポジションを定めていきます。ブランドプロポジションとは、そのブランドらしさをワンワードでまとめた言葉です。プロポジションはプロポーズの名詞形で「提案」という意味を持ちます。ブランドがどんな価値を提供するのか、どんなイメージを共有するのかをここで定めていきます。重要になってくるのが、どんな「価値」「らしさ」を提供できれば、ギャップが埋まるのかということです。

 

⑤数値化
ブランドプロポジションを定めたら、その理想を達成するためにどんなことが必要かを考え、数値化していきます。なかなか想像が難しいと思いますので一例を掲載させていただきます。ここで数値化することで、前掲したブランディングのファネルの下半分にあたる「ブランドの最適化」というPDCAを回す活動を行うことが出来ます。

 

 

まとめ

今回の勉強会ではブランディング特にブランド作りについて扱いました。限られた時間の中でしたが、ブランディングについてのエッセンスはお伝え出来たのではないかと思います。重要なのは、ブランディングは作って終わりの活動ではなく、その後、「どう運用していくか」を含めて考え、実行していく現在進行形の活動であるということです。ブランディングはここまで書いた通りマーケティングの専門知識が要求される活動です。ブランディングにお困りの方がいらっしゃいましたら、弊社の提供するマーケティングサポート「Labout」をご利用ください。専門知識を持ったマーケターが、ブランディングをサポートさせていただきます。
以上が、1月の勉強会「中小企業が結果にコミットするためのブランディング入門塾」のレビューです。当日は、こちらに書ききれなかった内容もたくさんお伝えさせていただきました。情報量が多く、難しい内容だったかと思いますが、あくまでもこれはマーケティング会社の視点から見たブランディングです。世の中には様々なブランディングの考え方、手法が存在します。今年は年間通して様々な視点から「ブランディング」について学べるカリキュラムになっておりますので、セミナーレビューを読んで興味をお持ちいただいた方は、月例勉強会へのご参加お待ちしております。

 

次回予告

次回の勉強会は、以下の通りです。

日時 : 2024/2/17(土) 10:30~12:30(開場10:15)
会場 : 熊本市現代美術館(会議研修室)

内容 : 「学歴なし、貯金なし、スキルなしからはじめるフリーランスセルフブランディング講座」

講師   : 野田 陽介(ZOO TRIPPER 代表)

    <ZOO TRIPPER>

ホームページの企画・制作をはじめ、グラフィックデザインや映像制作、企業・商品・サービスのブランディングなどの企画・提案を行っている。社名「ZOO TRIPPER」は「個性豊かな動物たちと旅をする」という意味。個性あふれる様々な業種のお客様やパートナー企業と出会い、一緒に旅をするように仕事を進めていきたいという想いと、子どもたちに「ずっと立派な姿を見せたい」という想いから命名。

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