コラム

Column

『ザ・ゴール2』のセミナーレビュー前編

はじめに

最近、服のセンスに悩んでいる熊本マーケティング研究所の高宗です!今月は「ザ・ゴール2」を読んだセミナーレビューをコラムにしていきたいと思います。前回は企業のボトルネックを通してTOC(制約理論)について記載した「ザ・ゴール1」をコラムにしていきましたが、今回はその続編になります。まだ前回のコラムを読んでないかたはぜひ読んでください!!

 

 

 

本日のテーマ

物語について

ネガティブブランチについて

現状ツリーについて

 

 

 

物語について

「ザ・ゴール2」はユニコという企業を物語にして語られていきます。ユニコは株価が以前の半分になったことにより事業の見直しが迫られます。その中で社外取締役から中核事業に絞って再投資する必要があり、非中核事業を切り離して売却するという提案が出されます。この非中核事業とうのは3社あり、この非中核事業を統括している部長が主人公となり3社を守るために、どう利益を上げていくか、売却を阻止出来ないなら最善の方法で売却するために、どう企業の価値を高めていくかを奮闘した物語になります。

 

 

思考プロセスについて

主人公が非中核事業をどうするか悩んでいる時に、「ザ・ゴール1」でもお世話になった教授が日本に遊びにくるということで主人公の家に訪れます。そこで主人公の娘が夜、友達とライブにいきたいが主人公をどう説得したらいいか相談します。そこで思考プロセスについて教えてもらいます。

思考プロセスの考え方について

解決策が見いだせない場合、どんな感情的になっても責めるべきは相手の性格ではなく解決策が見いだせない状況について考える必要があると教授はいいます。そこで「クラウド(雲)」を描けがいいと教えてくれます。雲のようなもやもやをスッキリさせるためには対立構造をわかりやすく図にしてみることで解決策が見いだせるとのことです。
主人公と娘のやりとりで娘は「友達とライブに行きたい」父は「帰りが遅くなるのでダメだ」ということで争っています。

事象A⇒父「ライブに行かせない」

事象B⇒娘「ライブに行きたい」

娘は友達とライブに行ってさらに仲良くなりたい、父はライブが夜遅くに終わるので娘の安全を守りたいとそれぞれの思いがあります。その思いが対立事項として現れます。

これをクラウドで表してみます。

父と娘の共通目標は「幸せな家族生活」です。父も娘が友達と仲良くなることはうれしいのですがライブで遅くなるということが問題でどうしても譲れないとのことです。しかしクラウドにすることでお互い共通目標は同じということが理解できました。

対立事項の解決策として、「父がライブ会場に車で迎えに行く」という結論が出ました。

主人公が車で迎えに行くことで、ライブが終わり次第一緒に帰ることが出来ます。娘もライブを楽しみながら安全も確保できるということで「幸せな家族生活」という目標を遂行することが出来ました。こうやってクラウドを描きつなげてみた方がどんな問題も考えやすくなり、解決しやすくなります。「思考プロセス」はあらゆる場で、あらゆる問題の解決に応用することができます。

 

 

ネガティブブランチについて

ある行動によって引き起こされるネガティブな可能性を図にしたものをネガティブブランチと呼ぶそうです。ネガティブブランチがはっきりしたらその対策も前もって考えることができると教授は主人公に教えてくれます。ここでも息子が主人公にバイクを貸してほしいという所からこの図を用いて解決していきます。

「ザ・ゴール2」より引用

このようにネガティブな可能性を図に出すことで対策を考えることができます。ここでは最終的に期限付きで主人公が息子にバイクを貸すことで対策を考えました。これを応用して主人公は売却先の1つである企業で解決策を見出しました。この企業は印刷会社で菓子袋印刷事業の売上が課題となっていました。課題解決に考えた図が以下になります。

図で問題解決を導いた結果、在庫の廃棄ロスを考えたら少量印刷のほうが安いのではないかという解決策が出てきました。1度に発注する量を減らして注文すると単価が安くなる根拠を数字で示せばクライアントも納得して受注が増えるという結果となったのです。

 

 

現状ツリーについて

1社は解決策を見つけましたが残り2社がまだ見つかっていません、そこで教授からさらなる思考プロセスを教えてもらいます。教授は「思考プロセスでは問題とは、それぞれに独立しているのではなく、原因が結果を生むという因果関係に結びついている」と教えてくれます。また「問題と考えられるもののほとんどは現象に過ぎない」といいます。TOC理論では好ましくない現象をUDE(ウーディー, 好ましくない事象, Undesirable Effects)と呼んでいます。思考プロセスでは、UDEをリストアップして因果関係を図にして現状ツリーを作成します。現状ツリーを作ることで、すべてのUDEの原因が1つか2つの「根本」となる問題にあることが明らかになります。多くのUDEは「根本」の問題から派生している現象に過ぎないため、たくさんのUDEを1つずつ消そうとするより「根本」の問題に集中して取り組む方が効果的です。そこでまずは「根本」をはっきりさせていく思考プロセスが必要となってきます。

以下が現状ツリーの図になります。

「ザ・ゴール2」より引用

 

いろいろ記載されていますが大切なことは問題を明確にすることです。では問題とはなんでしょう?問題とは、目標と現実のギャップの事です。どの企業にも共通的に言える目標は「業績を上げ続ける」事です。その目標を実現する山の登り方(テーマ)はそれぞれで、その企業の重要テーマの中で目標を妨げているのが問題(UDE)です。TOCでは、企業の抱える様々問題を体系的に整理し、各問題の根本原因を特定し解決していく手法です。
まずは下記のポイントを意識してUDEを書き出だすことが大切です。
・明瞭で一つの完全な文章(主語と述語)で表現されている事 (2つの問題が混らないように注意)
・明らかに否定的である事
・事実ではあるが変えることのできない避けられない事実でない事 (人は歳をとるなど)
・UDEは重要である事

 

 

まとめ

「ザ・ゴール2」については、まだ続きがありますが今回はここまでにしていきます。この続きは次回のコラムに載せたいと思います。今回「思考プロセス」「ネガティブブランチ」「現状ツリー」について記載しましたが、重要なのは可視化することです。可視化することで一人で堂々巡りするのを避けるだけでなく、複数人でアイデアを出し合い、解決策を考えることが可能になります。と偉そうに記載していますが私自身まだ、府に落ちていない点は多々あります。学んだことをいかにアウトプットしていくか、ここが難しいですね、次回のコラムも続編になるのでより整理していきたいと思います!