コラム

Column

時流を読む~飲食・小売

ご挨拶

先日、久しぶりに高校時代の友達と野球の試合に参加させてもらいましたが、友達が試合中にアキレス腱断裂という大怪我を負いました(-_-;)……怪我を気を付けないといけない年齢になったんだと…しみじみ思いました。皆さんも怪我にはご注意を!!今月も日経MJで気になった記事を取り上げていきたいと思います。

 

店舗売上高が2年ぶり増収も7割が値上げ検討

日経MJが実施した第48回飲食業調査(2021年)が特集されていたので紹介します。新型コロナの影響で飲食店の売上は大きく下がっていましたが、2年ぶりの増収に回復したそうです。新型コロナの影響は続いてますが客足は戻り、店舗の閉鎖ペースも緩やかになってきています。ただ、足元では原材料高など新たな課題が浮上していています。各社、値上げの対応にせまられています。身近な所だと、昨年から今年にかけ牛丼チェーン大手(吉野家・すき屋・松屋)が値上げをしています。ただ各社値上げによる客離れは起きてないとのことです。他の事例も取り上げていたので以下に載せていきます。

2022年6月22日発行 日経MJより


2022年6月22日発行 日経MJより

①ドトール、コーヒー価格死守

スターバックスやタリーズコーヒーなど競合が値上げしていますが、ドトールは対象的に店舗を利用する主要顧客が反応しやすいコーヒーの価格は上げないようにしているとのことです。コーヒー豆の価格はコロナ前に比べて約7割上昇していますが、原価上昇分はフードメニューを強化してコーヒーとの買い合わせを増やすなど、客単価を上げてカバーするとのことです。特に付加価値をつけた商品、季節限定ドリンクやサンドイッチなど高単価商品の開発に力を入れていくとのことです。コア商品の価格をかえないことで既存客の客離れ防止を主眼においているとのことです。

②値上げが主流になるなか「逆張り」の動き

コロナ禍で消費者が飲食店での滞在時間が短くなる傾向は続く中、独自性のある商品開発やサービスで客単価を向上させる取組は以前にも増して重要になってきています。その中で独自の動きをしている会社を紹介します。

(1)ダイニングイノベーション
焼肉ライクという飲食店を経営しています。同業態は1人で来店しやすい焼肉店で「1人飲み」需要の取り込みを狙いました。実施した施策としてはハイボールなどが60分550円で飲み放題となる卓上サーバーを導入しました。結果としてサーバー席では客単価が約5割上がる逆効果がありました。

(2)ワタミ 
ワタミは今年3月、焼肉の和民の全26店舗で主要商品の価格を平均2割下げることを発表しました。値上げが主流にある中で客足回復が遅れる都心部店舗の起爆剤にしたいという考えです。

(3)バーミヤン
すかいらーくホールディングス傘下のバーミヤンも4月、ラーメンやアルコールの一部商品を値下げしました。割安感のあるメニューを導入することで客数を伸ばし、収益が低そうに見えても他のメニューや客層との組み合わせ次第では「もう1品」につながる可能性があり客単価向上にもつながるのではないかと考えています。

③メニュー工夫、客離れNO

メニューづくりは今後をにらんだ企業の戦略が分かるとのことです。2022年度は調査した全体の20%が品目数を減らすと回答しています。調理工程の多いメニューで付加価値を高める商品を開発する中でメニュー数を減らすことで厨房の作業効率改善の動きが多いようです。また、世界情勢により仕入れが贅沢な材料の新商品を押し出すなどして、仕入れが難しい商品数を減らす動きが多いようです。

④感想

原材料高などで値上げが実施されるなか、いろいろ対応が考えられると思います。マーケティングコンセプト(顧客ありきという発想)と販売コンセプト(自社の商品ありきという発想)のバランスをいかにとっていくかが今後さらに重要になってくると考えさせられる記事でした。

 

 

最後の一押しは電子看板

商品の値上げが相次つぐ小売業界で、店舗のデジタルサイネージを活用する動きが活発になっています。AIを駆使して、来店者の好みや行動解析によって表示する広告を変えるなど、購入者の最後の一押しとなっています。小売店やメーカーは価格だけではない商品の価値で消費者を引き付けようと取り組んでるそうです。

①トライアルホールディングス、決済機能付き買い物カート「スマートショッピング」の実験

トライアルホールディングスでは「スマートショッピングカート」を利用した実験を開始したそうです。お客様が香りにこだわったペットボトルのアイスコーヒーを選ぶと買い物カートの液晶画面にメルシャンの「甘熟ぶどうのおいしいワイン赤」がオススメとして現れます。コーヒーとワインでメーカーもジャンルも異なり一見関連はなさそうな2つの商品を結びつけたのは「豊かな香り」という共通の特徴のこと。液晶画面を見たお客様は「潜在的にほしかったものに気づくことができた」との声を頂いているみたいです。

②スマートショッピングカートについて

お客様がカートで特定商品をスキャンすると、それと同様の特徴を持った商品の売り場の場所と価格が一緒に表示されます。AIの自然言語処理の技術を使い「素材重視」や「健康・栄養」「濃厚」などキーワードを17項目に分類してるそうです。例えば「スパイシー」や「濃厚」といった特徴を持つ、辛口で味が濃いスナック菓子をスキャンすると、日清食品の袋麺「爆裂辛麺韓国風極太大盛激辛焼きそば」が紹介されます。実験では特徴が共通する商品の組み合わせとそうでない組み合わせで試してみました。すると共通の組み合わせの方が購買が2倍増加になったそうです。

③今後の活用

今回の実験は、POSデータなどを活用した購入履歴に基づいた提案ではない新しいスタイルでの提案になるとのことです。そのため、これまで手掛けてこなかった、新商品やカテゴリーが異なる商品がオススメできるのが特徴とのこと。結果として消費者が意図していなかった非計画購買を促すことが出来るようになってくるとのことです。

④他社のデジタルサイネージの活用

カルビーでは商品棚の最上段にサイネージの画面を設置して、お客様が「棚の前を通る」「立ち止まる」「商品を手に取る」の3段階で流す動画を変える実験を行ったそうです。例えばポテトチップスの棚前を通過時には、「暑くなってきたのでさっぱり」と季節感などを感じさせる動画で目を引かせ、立ち止まったところで、実際の商品を紹介して背景の画面を時間帯に合わせて切り替えたるなど工夫をしました。最初はテレビCMのような動画や画面で商品を紹介してみる実験を行ってみました。商品の接触は増えましたが、購買は伸びなかったそうです。そのため、次は商品に接触した時点でクーポンを表示するなど、購買を後押しするような施策を強化しました。結果としてサイネージがない店舗より購買が伸びたそうです。カルビーの担当者は店舗のサイネージについて、「実際に消費者が買う瞬間にアプローチできるメディとして魅力がある」と語っています。ネット通販にはない体験とひも付けられた実店舗ならではの販促が新たな潜在需要を掘り起こすカギとなっていきそうです。

 

⑤感想

インサイト=消費者を動かす、心のボタンを押す手段の1つかなと感じました!消費者の心理に考えを巡らせることでいきついたデジタルサイネージ活用方法としてとても参考になりました。外国や首都圏では3Dのデジタルサイネージなどありますが、今後はスーパーやコンビニ・飲食店でも3Dで活用されてきたりするのかなと思います。

2022年6月8日発行 日経MJより

 

まとめ

というわけで日経MJで気になった記事をまとめてみました。今後も更新していきますのでよろしくお願いします。…ちなみに前回、森岡毅さんを講演会に呼びたいというタイトルで投稿させてもらいましたが、実際に講演会に呼ぼうとチャレンジしましたが…ダメでした…めげずにトライ&エラーを繰り返していきます!!