コラム

Column

「いくらが正解?」なんとなくの価格設定から卒業するワークショップセミナー振り返り 2026/5/16(土)開催

開催概要

日時 : 2026/5/16(土) 10:30~12:30
会場 : 熊本市現代美術館 会議研究室
内容 :いくらが正解?~価格を導き出すための価格設定の基本~
講師 : 高宗 将(株式会社熊本マーケティング研究所)

 

当日の内容

1.Priceについて
2.ワーク(1) 自社の商品・サービスの価格設定を分析しよう
3.ワーク(2)自社のプライシングを見直してみよう
4.プライシングの手法について
5.ワーク(3) 自社に使えるプライシング手法を選ぼう

 

◎Placeについて

みなさんは自社の商品・サービスの価格をどうやって決めましたか?競合と見比べて決めた、原価に利益を乗せた……。いざ言語化しようとすると、意外と根拠があいまいという方も多いのではないでしょうか。
「値決めは経営である」
これは稲盛和夫氏の言葉です。価格設定は単なる数字の話ではなく、経営の根幹に関わる意思決定。そして、売り手だけが得をする価格でも、顧客だけが得をする価格でもなく、売り手と顧客がともにハッピーになれる価格であるべきなのです。
価格設定の3つの基本アプローチ
価格を決めるアプローチとして、次の3つを解説しました。
■コスト基準型
仕入原価・人件費・販促費などのコストに利益を上乗せして価格を設定する手法。最も一般的ですが、あくまで「売り手視点」であるため、顧客が感じる価値が抜け落ちやすいのが課題です。
■競争基準型
競合他社や市場の相場を基準に価格を決める手法。市場の平均価格に合わせる「市場価格型」、業界リーダーの価格に追随する「プライスリーダー型」、業界の慣習に従う「慣習価格法」の3つがあります。
マーケティング戦略基準型
コストや競合ではなく、「顧客がいくらなら払いたいと思うか(購入意志額)」を起点に価格を設定する手法。視点が顧客側にあるため、競合が高すぎる・安すぎる場合には、この考え方ひとつで一気に業界のプライスリーダーになれる可能性もあります。

 

◎事例紹介

牛丼と冷奴
お昼ご飯に500円の牛丼を払うのは自然でも、冷奴にい500円出すのはためらう。一方、居酒屋の冷奴なら500円でも「まあそんなものかな」と受け入れられる。同じ500円でも、顧客はシーンや市場によってあらかじめ予算感を持っています。価格設定は、その予算感をいかに捉えるかが肝心です。

 

◎プライシングの手法について

3つの基本アプローチを踏まえたうえで、実践に使える8つのプライシング手法が紹介しました。ここでは一部をご紹介します。
① 価格差別化
同一の商品・サービスに複数の価格を設定する手法。飛行機のエコノミー・ビジネス・ファーストクラスのように、機能は同じでも「情緒的なベネフィット(快適さや体験の質)」に価格差をつけることで、顧客自身に選んでもらいます。
② 限定価格
時間・場所・対象・数量を限定し、希少価値で価格を支えます。九州限定ポテトチップスや会員制飲食店など、「ここでしか・今だけ」という制約が購買意欲を高めます。
③ 価値の可視化
金額がわかりにくいサービスに明確な価格を打ち出す手法。水回りのトラブル対応で「8,000円から」と打ち出したクラシアンや、「1,000万円の家」を掲げたアラセンハウスのように、価格を見える化することで顧客の安心感を生み、業界のプライスリーダーになれる可能性もあります。
④ 支払い方法のシフト
100万円の商品も「月々1万円の60回払い」にすると、心理的なハードルが大きく下がります。電子マネー決済やサブスクリプション型への切り替えも、この手法の一つです。

 

ワークショップ

ワーク①:自社の商品・サービスの価格設定を分析しよう
現在の価格と設定理由を書き出し、コスト基準型・競争基準型・マーケティング戦略型のどれに当てはまるかを確認。さらに「売り手起点か、顧客起点か」を振り返ることで、自社の価格設定の現在地を言語化しました。
ワーク②:自社のプライシングを見直してみよう
ワーク①と同じ商品・サービスを題材に、3つの視点(コスト・競合・顧客の購入意志額)から価格の見直しを検討。使えそうなプライシング手法を選び、見直し後の価格仮説とその根拠を考えました。
ワーク③:自社に使えるプライシング手法を選んで実践プランを考えよう
8つの手法の中から自社に活かせるものを選び、具体的な実践プランを策定。最後にワーク①〜③を机に並べ、他の参加者のシートを見て回る時間を設けることで、業種の異なる視点からの気づきを得ました。

 

まとめ

今回のワークショップセミナーでは、「いくらが正解?」という問いに向き合うための価格設定の考え方と手法を学びました。コスト基準・競争基準・マーケティング戦略基準の3つのアプローチと、8つのプライシング手法。どれか一つだけが正解ではなく、重要なのは「起点を顧客においているか」という視点です。自社の価格が、顧客の購入意志額と一致しているか。売り手のコスト感ではなく、顧客のお財布感から設計できているか。今回のワークを通じて、その問いを自分ごととして考えるきっかけになったのではないでしょうか。次回は「Place」の実践編として、弊社代表の岡村がセミナーを行います。ぜひご参加ください!

 

次回予告

次回のワークショップセミナーは、以下の通りです。
【タイトル】
チャネルを整理する思考法~数字で見る、売れる接点の見直し方~
【講師】
岡村 洸斗(株式会社熊本マーケティング研究所 代表取締役)
【日時】
2026/6/20(土)10:30~12:30(開場10:15)
【お申し込み】
こちらの「ワークショップセミナー申し込みフォーム」よりお申し込みください。