開催概要
日時 : 2024/11/9(土) 10:30~12:30
会場 : 熊本市現代美術館 会議研修室
内容 : ブレない! ズレない! 選ばれるブランディング実践のためのペルソナ設計講座
講師 : 宮﨑 滉(株式会社熊本マーケティング研究所)
基礎マーケティング講座とは?
STP分析などの環境分析から、マーケティングミックス(4P)まで基礎を学ぶための講座です。参加者同⼠でのワークショップなど、即実践ができる体験型の勉強会となっています。初⼼者向けですが、⾃分以外の意⾒を聞くことで新たな発⾒がありますので、基礎から⾒直したいという⽅、改めて学び直したいという⽅にもおすすめです。
2024年度の勉強会について
2024年度の年間テーマは「ブランディング」です。ブランディングといっても考え方、手法は様々あります。ブランディングの基本理論から、実践的な考え方までを、年間を通して総合的に学べるカリキュラムとなっています。
当日の内容
1.ペルソナについて
2.ワークショップ
当日はブランディングにおける、「ペルソナ」について座学・ワークショップを通してお伝えしました。今回のセミナーレビューにつきましては、この中からいくつか内容を抜粋して、皆さんに伝えたいと思います。
ブランディングとは
突然ですが、ブランディングって何か答えられますでしょうか?
前述の通り、今年のテーマは「ブランディング」です。今回のセミナーでは、ブランディングを進めていくうえでのペルソナ活用についてお伝えしました。なので「ブランディングが何かわからない!」という方は、1月の勉強会で「ブランディングとは何か?」についてお伝えしておりますので、1月の振り返りをぜひご覧になってください。
>>> 1月20日開催「 中小企業が結果にコミットするためのブランディング入門塾」振り返り
ペルソナとは
「人格」や「仮面」という意味がある言葉「ペルソナ」は、心理学やデザイン、ソフトウェア開発の場やマーケティングで登場します。マーケティングにおけるペルソナとは「企業が提供する製品・サービスにとって最も重要で象徴的な顧客モデル」のことを指します。9月の勉強会「STP分析」で触れたターゲットとは、似ているようで違う概念です。ターゲットは属性(年齢、職業、興味、価値観など)で区切った”集団”のことを指すのに対し、ペルソナの場合は架空の”誰かひとり”を表すものです。ブランディングでは、自社・顧客(市場)・競合を分析したのち、ペルソナを設計することで様々なメリットが得られます。
>>>【2024年度 基礎マーケティング講座】の振り返り 2024/9/14(土)開催
ペルソナ設計の目的
なぜ、ペルソナ設計をやるのか?その目的は大きく3つあります。
①具体的なニーズを掴む
ペルソナ設計を行うことで、顧客像が具体的になり「顧客は何を求めているのか?」ということが明確になります。顧客視点でブランディングを行うことで選ばれるブランディングに繋がります。
②差別化ポイントを明確にする
ペルソナ設計を行うことで、「このペルソナに向けたブランディングをする」ということが明確になるため、差別化ポイントを薄めることなくブランディングを進めることができます。
③社内・チームの共通認識を作る
ペルソナ設計最大のポイントは”共通認識を作る”ということだと思います。ブランディングを実行していく際には、社内外問わず多くの方と関わることになります。その際、関わる方々の認識のズレがあると選ばれるブランディングは難しくなっていきます。その際にペルソナを設計しておけば「このペルソナが求めているモノは何か?」「このペルソナだったらA案・B案どっちが好きか?」など判断の基準を作ることができます。
ペルソナ設計
「企業が提供する製品・サービスにとって最も重要で象徴的な顧客モデル」がペルソナなので、架空の人物像を作り上げていくことになります。架空の人物とはいえ、テキトーに作って良いわけではなく顧客や市場の調査を行ったうえで、設計をしていきます。ペルソナに盛り込むべき情報は「これを入れていれば完璧」というものは残念ながら存在しません。自社にとって最適なペルソナ設計は、実際に使用しながらブラッシュアップをしていくことが必要です。セミナーの中では、ペルソナに盛り込む代表的な項目を、いくつか取り上げてお伝えしました。また、今回のセミナーでは、”BtoC企業向けのペルソナ” と “BtoB企業向けのペルソナ” に分けてお伝えいたしました。
■BtoCの場合(個人ペルソナ)
下記がペルソナに盛り込まれる代表的な項目です。もちろん、下記以外にも無数に項目は考えられますので、あくまで一例です。「年齢」や「性別」「職業」などペルソナの属性を表す情報、そして「平日・休日の過ごし方」や「消費傾向」などペルソナの行動の特徴を表す情報がペルソナ設計には必要です。
【個人ペルソナの項目】
名前 / 年齢 / 居住地 / 勤務地 / 家族構成 / 職業 / 年収 / 平日・休日の過ごし方 /消費傾向
■BtoBの場合(組織ペルソナ+個人ペルソナ)
BtoB企業の場合は前述の「個人ペルソナ」に加えて、そのペルソナが属している企業や組織についての「組織ペルソナ」を設計していく必要があります。BtoBの場合「個人ペルソナ」で設計した商談相手が、決済権者ではないケースがあります。そのため、所属する組織のペルソナを設計します。「組織ペルソナ」に盛り込む情報として代表的な項目を下記に載せております。
【組織ペルソナの項目】
業種 / 企業規模 / 商材 / 従業員数 / 決算時期 / 業界の市場動向 / 業界の立ち位置
ペルソナ共感マップ
ペルソナ設計の次は、そのペルソナがどんな「状況」に置かれていて、どんな「行動」「感情」を持っているのかを深掘っていきます。セミナーでは「ペルソナ共感マップ」というツールを使って、ペルソナの置かれている状況を可視化する方法をお伝えしました。ペルソナ共感マップに取り組むことで、「どんな方法でアプローチするか」「どんな情報を伝えるか」といった、ブランディングを実行しいていく施策のヒントを得ることができます。
ワークショップ
当日は、「ペルソナ設計」と「ペルソナ共感マップ」の2種類のワークを行いました。
ワークに取り組んだ後は、参加者同士でワークシートを見せ合いながら、お互いのペルソナについての理解を深める時間を設けました。「このペルソナはこんなことも考えていそう!」「このペルソナならこんな行動をしていそう」といった自分ひとりでは、考えつかなかったアイデアが広がる時間となりました。
終了後の参加者アンケートでは、「自社で活用できそうだと感じた」「持ち帰って活用します」といったありがたいお声をいただきました。ご参加いただきました皆様、ありがとうございました。
まとめ
今回は、ペルソナについてのセミナーでした。ペルソナ設計は顧客の情報収集が”キモ”です。アンケート調査や日頃の顧客との会話から得られる情報はもちろん、設計するペルソナと近しい方と一緒に作るというのも、ペルソナの精度を上げることに繋がります。また、一度作ったペルソナは時代の変化に合わせ、定期的にブラッシュアップしていくことも必要です。ぜひペルソナ設計を行い、社内やチームで共有し自社のブランディングにお役立て下さい。
次回予告【満席のため申込締切】
次回の勉強会は、満席となりましたため、お申し込みを締め切らせていただきます。多くのお申し込みをいただき、誠にありがとうございました。
日時 : 2024/12/14(土) 10:30~12:30
会場 : 熊本市現代美術館 会議研修室
内容 : 【AI時代】これからの映像制作とマーケティング
講師 : 中川 典彌 (株式会社 映gent Ro.man 代表取締役)