コラム

Column

蹞読 ~ルフィと白ひげ~ 後編

読んだ本について思ったことを書く「蹞読」 第2回です。

前編から約4ヶ月が経過してますね。2部作の映画並みの公開スケジュールでやっております、蹞読(きどく)のコーナーのお時間です。

この4ヶ月で本当に色々な本に会いました。そして、それはきっちりと積まれています。本棚に4冊。iPhoneの中に5冊。いわゆる積読のプロと呼ばれている私は、どうやったら読書の習慣が身につくのか、まずは「読書のクセが身に付く本」を買うところから始めてみたいと思います。(これで大台の二桁)

と、冗談はここまでにして、「ルフィと白ひげ」の後編レビューを始めていきたいと思います。 あ、でもこの4ヶ月の間にも、参加している勉強会の課題図書くらいは一応読んでいます。まあ、ゼロではなかったよ、ということです。(前回同様、言い訳から入るスタイルでやらせていただきます)

 

ルフィと白ひげ 信頼される人の条件

「ルフィと白ひげ 信頼される人の条件 ~ONE PIECEに学ぶ、希望を運ぶリーダーシップ~」の後半戦(全5章/第3章~第5章)のまとめです。

この本を読むきっかけになったのは、私が参加している勉強会の課題図書として設定されていたからです。冒頭に申し上げたいのは、私はONE PIECEに関しては「週刊少年ジャンプ」で連載が開始されてから毎週、連載を追いかけていて、単行本も全巻揃えているほどのファンである、ということです。ちなみに、前編の最後の行には以下の文章を入れており、それのせいもあってか色んな知人からコメントや「読んだよ」と言ってもらえました。入れてみるもんですね。

追伸 : 「既読」とかけたタイトルなので、既読スルーはおやめください。ここまで読んだ方、何かしらのコメントをいただけると岡村が非常に喜びます。

 

仲間がルフィを信頼した瞬間とは

①自分が大切にしているものを大切にしてくれる

ルフィが出会った時系列に沿って紹介していきたいと思います。まずは1人目の仲間であるゾロ。亡くなってしまった幼なじみである”くいな”との約束。「天国まで名が届くほどの大剣豪になる」という約束に向かって自己の鍛錬を惜しみません。ゾロにとって「約束」とは大事なものなのです。ゾロと交わした約束を守るつもりがない海軍に対して怒り、磔にされたゾロを救出します。自分の命を助けられた、というところだけではなく”自分が大切にしているものを大切にしてくれる”という点でルフィはゾロの信頼を得ることが出来た、と本書では解説されています。

 

②関係の推移性

サンジは、命の恩人でもあり尊敬しているゼフが自分の店を守るために戦っているルフィの信念に惚れました。(この勝負、勝つにせよ負けるにせよ、おれはああいう奴が好きだがね) このゼフの言動でサンジがルフィを信頼するきっかけになったと解説されています。 関係の推移性とは、AさんとBさんが固い信頼関係で結ばれているのをCさんが見たときに「この2人なら自分も固い信頼関係が築けるかもしれない」と思うことや、Dさんが信頼しているEさんが、Fさんのことを信頼している場合に「自分が信頼している人が、信頼する人なら間違いない」というようにDさんがFさんのことを信頼する、という関係性の輪が広がっていくことの2つがあるそうです。もちろんONE PIECEの世界では、ルフィが命がけでサンジの大事なもの(恩人と一緒に働く店)を守るために戦っている、という①の要素も含まれていると思います。

 

③未来を見せる力

先に言っておきますが見聞色の覇気ではありません。幼いながらに高額の懸賞金をかけられ、色んな人に裏切られながら生きてきたロビンは「自分は生きていてはいけない人間」と思いながら人生を過ごします。未来を信じることができないロビンに対し、「生ぎたい!!!!」と言わせたルフィ。自分の生すら肯定できないロビンが「もっと生きていたい、一緒に航海を続けたい」と思うようになったのは、ルフィが見せた未来にかけてみたい、と思えたからだと解説されています。リーダーとして重要な能力ですね。会社の代表として、社員に未来を見せることができるか、そこに一緒にたどり着きたいと思ってもらえるか、私にDの血は流れておりませんが、頑張ってみようと思います。

 

④自分の存在を肯定してくれる

チョッパーは”怪物” ブルックは”骸骨”です。 しかし、そんな2人をルフィは「おもしれーやつ」と言います。少女マンガでもそうですよね。「ふーん、おもしれーやつ」になったらヒロイン展開まっしぐらです。(うん、これは関係ない話でした) 話を戻すと、ルフィは変わっているところを短所ではなく個性であり長所と捉えています。マーケティングの世界でも同じですね。ドラッカーは言いました。「人が成果を出すのは強みによってのみである」 人が何か目的を成し遂げるためには、強みのみが必要という意味の言葉です。 弱みを強みに変えようと努めても、平均的・平凡なものになることすら難しいものだとドラッカーは言います。ちなみに、本章で「なぜエースが死んで、ルフィが生き残ったのか」というくだりがありましたが、エースは死んでほしくなかったので、どう解説されても「は?」としか、なりませんでした。

 

 

麦わらの一味のリーダーシップ

さて、本も終盤に差し掛かっている第4章。この章では麦わらの一味のリーダーシップについて触れられています。第2章(前編)で触れたように、麦わらの一味の各クルーのことをルフィが信頼できるのは各自がメンバーの中で超一流の専門性があることが前提となっています。地方の中小企業は育成が前提となる採用をしている為、麦わらの一味のように最初から全幅の信頼を置くことは難しい!と私は言いました。

しかし、この章では能力面ではなく、麦わらの一味の各クルーの「姿勢」にフォーカスして書かれていました。全員を解説するのは難しいので、岡村が「大切だよね~」と共感できたメンバーの分だけをピックアップします。

①圧倒的な向上心

まずはゾロ。彼が麦わらの一味から尊敬されているのは、まさに「自己鍛錬をする姿勢」があるからだと書いてありました。仕事に置き換えてもそうですよね。ゾロは元々の戦闘能力が高いことはもちろん、それでも「俺はまだまだ強くなれる」と飽くなき向上心を持っています。そんな向上心の塊みたいな人間、同じ会社にいたら信頼できそうですし、仮に成果が出なくても「あいつがやってダメならしょうがない」と周りに言わせるほどの圧倒的な努力をしています。

 

②情報収集能力と活かす力

次に、ナミ。航海士として麦わらの一味の命を預かる立場の彼女は、天気だけではなく戦闘においても情報収集と指示が的確です。これを経営に置き換えても同じことが言えると思いました。会社の命運、そして社員の生活を守る立場の経営者は、より多くの情報を集めることと、それを経営の方向性に対して反映させることが求められます。同じ勉強会に参加していても得るものが多い社長と、持ち帰るものが少ない社長。社員の立場から、どちらの方が信頼できるかは明白です。

 

③自分を変える努力

最後にロビン。前述したように不遇の幼少期を過ごしたロビンは、人のことを信じることが出来ません。しかし、ロビンはエニエスロビーでの戦いを通じて「人を信じない自分」を変える努力をするのです。最終的には仲間がきっと自分を助けてくれると信じ、行動をします。会社(組織)でも同じことがいえますね。よく「他人は変えることが出来ない。変えれるのは自分だけ」なんて言葉を聞きますが、なかなか自分を変えるのも難しいもんです。そんな中、必死に自分を変えようと努力している人間がいたらどうでしょうか?きっと、この人のことを信じて任せてみよう!と思えるのではないでしょうか。

 

 

白ひげのリーダーシップ

ついに最終章となった本書。最後に、白ひげことエドワード・ニューゲートについて書きたいと思います。海賊王になるためではなく、ひとつなぎの大秘宝(ワンピース)が欲しいわけでもなく、子供のころから欲しかったもの(家族)を手に入れる為に海賊をやっています。そして私が大好きなエースは海賊王ゴール・D・ロジャーの息子として生まれたことから「自分は生まれてきてよかったのか」の答えを探すために生きていました。どこか死に場所を探すような生き方です。そんなエースは白ひげの命を狙っていましたが、何度も返り討ちにあい、それでも自分を息子として受け入れてくれる器にほれ込み「白ひげを海賊王にする」という夢を持ちます。

ルフィと白ひげの共通点は『夢を見させる力』がある点です。決して1人では叶えることの出来ない夢を一緒に追いかける。これが普遍的なリーダーの資質である、と本書では書かれています。経営に置き換えると、これが会社の理念(Mission/Vision/Value)なのかもしれませんね。

 

白ひげとルフィはここが違う

白ひげ海賊団のことを「疑似家族」と書いていることには納得していませんが、筆者は以下のように麦わらの一味と白ひげ海賊団の違いをまとめています。

<白ひげ海賊団> <麦わらの一味>
家族をもつこと 海賊王になること
組織 (疑似)家族構造 フラット構造
一味の構成 同質的 多様性
信頼の根拠 経験と実績 未来の可能性
未来 託す側 託される側
役割 育てて、守る 挑み、成長する

 

 

最後に

ルフィと白ひげ、ようやく書き終えることが出来ました。この本は半年ほど前に参加していた勉強会の課題図書だったので、実はこの第3章~第5章はこのブログを書くために読み返しました。私は本を読む際にはできるだけマインドマップを書きながら読むようにしていますが、1回目に読んだ時のマインドマップと、2回目に読み直したときのマインドマップで違うところをメモをしていました。その時の会社の課題感だったり、自分の状況だったりで引っかかるところが違う、ということも今回の蹞読の執筆で得た気づきだったなー、と思います。

冒頭で話したように、元来の積読気質にくわえ、2月上旬にインフルエンザに罹患してしまい、その時の仕事の遅れがまだ取り戻せていない私が、次の蹞読のコーナーを書くのはいつになるのでしょうか? 前回とは別の追伸を記載して、終わろうと思います。

 

追伸 : 「そろそろ蹞読から積読にコーナー名を変えたら?」とあおっていただけると岡村が発奮して「●月中には1本書きますよ!」と意地になります。