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「財務」とは?新人経営者が知っておくべき経営者の基本【財務編】

経営における「財務」とは?


会社経営における“財務”とは、会社を成長させるために必要な資金を、どのように集めてどのように運用していくか考え、管理していくことを指します。

財務=会社成長のための資金の調達・運用管理

財務(財務管理)は、会社経営を継続させたり、会社を成長させていくために必要不可欠な要素です。なぜなら、会社の資金が無くなってしまえば、会社は倒産してしまうからです。

会社を倒産させないためにも、資金繰り表やキャッシュフロー表を作成し、会社の資金ショートを防ぐ「財務管理」を行っていくことが重要です。

財務の主な業務

財務の主な業務には、以下の種類があります。

●財務戦略の立案
経営目標を達成するために必要となる資金調達のプランや、資金運用のプランを立案することを指します。効果的な財務戦略を立てることで、企業経営の健全化を促し、結果的に企業価値の向上につなげることができます。

●予算管理・資金管理
各部署に割りあてられた予算が適切に使われているかをチェックし、資金ショートを起こさないように資金を管理することも、財務の大切な業務のひとつです。

●外部からの資金調達
経営のための運転資金や、新事業を開始するための資金を、外部から調達してくるのも、財務の重要な業務です。

資金調達の主な方法としては、銀行からの借入や株式の発行、社債の発行、クラウドファンディングなどがあります。

●余剰資金の運用
会社の「余剰資金(運転資金に充てる必要がない資金)」を運用するのも、財務の役割のひとつです。余剰資金を使って投資やM&Aを行うことで、会社のさらなる成長に繋げていくことができます。

なお、起業したての経営者が考えるべき「投資」について、詳しくは以下の記事をご覧ください。

>>>>経営者にとって「投資」とは?新人経営者が知っておくべき経営者の基本【投資編】 | 熊本マーケティング研究所 | 熊本マーケティング研究所

財務と経理(会計)の違い

会社経営を開始して間もない方の場合、「財務」と「経理(会計)」を混同してしまう場合もあるかもしれません。

ここで簡単に違いを説明すると、財務が会社の成長などを考えて資金の管理・運用・調達を行う「未来会計」であるのに対し、経理(会計)は会社のこれまでの金銭の取引すべてを記録しておく「過去会計」です。

「財務」の業務はこれまで記載してきた通りですが、「経理(会計)」の業務内容は、財務諸表の作成、帳簿作成、請求書など帳票作成などがあります。

財務会計(制度会計)と管理会計の違い

会社経営における「財務」の役割を理解するために、「財務会計(制度会計)」と「管理会計」の違いを理解しておきましょう。

財務会計(制度会計)=確定申告用の対外的な会計

財務会計(制度会計)とは、簡単に言ってしまうと「確定申告用の会計」です。つまり、対外的な存在である税務署や投資家、債務者などに対して、企業の財務状況を報告するための会計のことを指します。

管理会計=経営管理用の社内向け会計

一方、管理会計は、経営者が経営管理を行うための社内的な会計のことを指します。先ほどの「財務会計(制度会計)」では、全体的な数値しか分かりませんが、「管理会計」では細かい金銭の流れや、毎月の取引件数など、経営判断に役立つ情報を経営者に提供することが目的となっています。

この管理会計をしっかり行っていくことが、正しいキャッシュフロー(お金の流れ)を把握することに繋がり、このあと解説する資金ショートを防ぐことにも繋がっていきます。

財務を怠ると資金ショートする場合も

会社経営にとって、「財務」はとても重要な要素のひとつです。「財務」の業務のなかにある予算管理や資金管理を怠ると、資金繰りに失敗して資金ショートを起こし、最悪の場合は倒産してしまう可能性もあります。

ここでは、資金ショートを起こさないための、会社経営の財務における借金(借入)の考え方についてお話していきます。

借金(借入)=悪ではない

はじめに、もし「借金(借入)=悪」という考え方を持っているのであれば、考え方を改めましょう。会社経営において、「借金(借入)」することは決して悪いことではありません。

会社経営で最悪なのは、資金繰りに失敗して資金ショートを起こしてしまうことです。資金ショートを起こすと、取引先にも迷惑がかかりますし、なにより経営が困難になり倒産してしまうケースもあります。

そして、取引先や顧客から1度失った信頼を取り戻すのは、これまで以上に難しくなります。

余裕があるうちに借りておくと経営が楽になる

そうした最悪のケース(資金ショート)を防ぐためにも、「借金(借入)」は会社に余裕がある(経営状態が良い)うちに行っておくことをオススメします。

経験上、余裕がない会社に対する融資を、銀行は貸し渋ります。たとえば、自分が貸す側だったとして、「手元に300万円ある人に300万円貸す」のと、「100万円しかない人に300万円貸す」のを比べた場合、どちらにお金を貸しやすいでしょうか。

多くの場合、前者の「手元に300万円ある人に300万円貸す」ほうが、貸す側のハードルは低くなります。なぜなら、貸したお金を回収できる確率が高いと思われるためです。

お金のことで悩む時間を有効活用しよう

また、経営者が資金繰りについて悩むことに時間を投資したとしても、それに対するリターン(売上)は発生しません。

経営者は、自分自身の時間も経営資源として考え、常にリターンを求めて行動しなくてはいけません。そのためにも、余裕があるうちに低金利で「借金(借入)」をしておくことで資金繰りの悩みを無くし、しっかりとリターン(売上)を得られることに投資していくことが必要です。

起業したての経営者に贈る「投資」の考え方について、詳しくは以下の記事をご覧ください。

>>>>経営者にとって「投資」とは?新人経営者が知っておくべき経営者の基本【投資編】 | 熊本マーケティング研究所 | 熊本マーケティング研究所

創業支援のご相談は「熊本マーケティング研究所」にお任せ!

この記事では、経営者のなりたての方に向けて、会社経営における“財務”の役割や重要性をご紹介してきました。

会社経営における“財務”は、資金調達のための財務戦略の立案や予算管理・資金管理などを行っており、会社を成長させるために重要な役割を担っています。

また、財務会計(制度会計)だけでなく管理会計もしっかり行うことで社内のキャッシュフローを正確に把握し、資金ショートを起こさないための「借金(借入)」も経営状態が良いうちに積極的に行っていくことが大切です。

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