コラム

Column

youtubeを超える?TikTokのやばいブランディング!

あけましておめでとうございます!
熊本マーケティング研究所広報ノダです!

今年も一緒にブランディングを勉強しましょう!

 

ところでみなさん。
年末年始、テレビとyoutubeやTikTokのような動画メディアどっちを多く観ましたか??

僕は、確実に「動画メディア」です。
年末年始のバタバタした時期なので腰を据えて何時間もテレビを観るより
細切れの時間潰しでyoutube、Instagram、TikTokの動画を観てました。

年末年始はゆっくりテレビ。

そんな既成概念は徐々に崩れていき
若い世代を中心に完全に逆転しています。

そんなメディア大転換期が、今まさに訪れています。

 

そして、ここ数年
彗星のごとく現れたメディアが
「TikTok」です。

 

 

 

 

TikTokは若者のメディア?

僕らおじさん達がTikTokをはじめて見たときの感想は大体一緒でしょう。

「え!これ中高生が踊って歌ってるだけのSNS?」

様々なフィルターを駆使し如何に自分を可愛くかっこよくみせるか!
って感じで、動画版プリクラという認識でした。

だがしかし!その認識間違っていました!
2021年のTikTok利用者の年齢層は以下のようになってます。
——-——-——-——-——-——-——-——-——-——-——-——-
10代:16.9%
20代:22.3%
30代:22.8%
40代:24.3%
50代:13.7%
——-——-——-——-——-——-——-——-——-——-——-——-

メイン利用者と思っていた10代は20%以下。
20~40代がボリュームゾーンでかつ50代の利用者も多くいます。

※日本の人口比

これは年代別の人口比率は考慮していないので、どうしても10代の割合が減ってしまうのは仕方ないのですが、ユーザーの絶対数では30~50代で50%を超えているのが実際です。

ちなみに、フェイスブック、ツイッター、InstagramといったSNSも
最初は10~20代から火がつき、流行が広がると共に上の世代が参加するという流れが一般的です。

現在、TikTokは「若者メディア」ではなく、
youtubeのような巨大な「全世代向け動画メディア」と言えるでしょう。

 

 

 

 

メディアは段階的に進化していく。

僕自身、ここ2年間意識的にTikTokを利用してきました。
そこで感じるのが
「コンテンツの多様化」です。

アプリをインストールした時は、正直面白さが分かりませんでした。
素人の身内ウケの動画が洪水のように流れてきて
胃もたれしたのを覚えています。

しかし、TikTokの上手いなぁ〜と思った点が
テレビのチャンネルのザッピングのようにスワイプすればどんどん次の動画に移っていけることです。

ノイズは一瞬でカットしていけるのでそこまでストレスになりません。

そして、たまーに面白い動画に出会います。
最初の数ヶ月はその「たまに見つける面白い動画」をダラダラ観るような使い方をしていました。

しかし、TikTokのユーザー数が増えるにつれyoutubeやInstagramを主戦場にしていたクリエイターがTikTokに参入しコンテンツ数が爆発的に増え始めました。

その影響で、
「筋トレ」「勉強系」「ゲーム実況」「アート」「格闘技」「お笑い」
と、ほぼyoutubeに近いラインナップのコンテンツがTikTokでも展開されるようなりました。

更に、TikTokの優れている点が
「強力なパーソナライズ機能」です。
これは視聴時間やリアクション(いいねなど)によってフィードに流れる動画がその人に適したものに最適化されるというものです。

パーソナライズ自体は、youtubeやInstagramのリードといった他社のSNSでも一般的ですが、そこで起きる問題がユーザーの好みに合わせ過ぎてしまう「フィルターバブル」と呼ばれる現象が起きます。

例えば、Instagramで女性のセクシーな動画を観ると、そこからおすすめされる動画が全てセクシーな動画になってしまうという中々恥ずかしい現象が起きたりします。

※僕の場合はInstagramでよく格闘技の動画をみるのでこんな感じになる。

しかし、TikTokの場合レコメンドの機能がユニークで今さっき開いた動画のレコメンドはこんな感じ。

01

@jakefellman #PoppyPlaytime #HuggyWuggy ♬ original sound – Jake Fellman

02

@atoyr_film 『暇乞』#ホテルニューアカオ #熱海 #昭和 #レトロ #ノスタルジー #エモ #芸術 #art ♬ Goodbye to a world – Dendipappey

03

@kurorekishi.com 仲間達 #黒歴史 #ハイキック #空振り君 ♬ オリジナル楽曲 – 黒歴史.com

04

@musicforallvibes ANARCHY – 奇跡 #anarchy #アナーキー #jesse #rize #fypシ #歌詞 #歌詞動画 #ヒップホップ #音楽 #リリック #日本語ラップ #fyp #music ♬ original sound – Music for All Vibes

05

@bigscboy @officialoxy_ teaching me some Krump #Krump #strengthcartel #athlete #foryou #tattoos #STRENGTH ♬ Ante Up remix by Jsquad – Neptune

中には意味不明な動画もあるけど、レコメンドがなければ一生出会わないだろう動画とも出会えます。
このゲームのガチャのようなランダム性も滞在時間が伸びる大きな要因でしょう。

 

 

 

 

TikTokの可能性とブランディングの上手さ

2021年8月、TikTokは長年トップだったフェイスブックを追い抜いて
「世界で最もダウンロードされたアプリ」になりました。

TikTokが日本のサービスと思ってる人も多いと思いますが、
もともとは中国から始まったSNSツールです。中国版のTikTokは「抖音(どういん)」と呼ばれ、日本版には無い下記の機能が実装されています。

・EC機能搭載
・位置情報の共有

このへんはゆくゆくは日本版にも追加される可能性が高そうですね。

そして、非常に面白いデータがあります。
アプリ調査会社であるApp Annieの新たなレポートによると、アメリカとイギリスにおいて、TikTokの「1ユーザーあたりの平均動画再生時間」がYouTubeを超えたとのこと。

英国の場合、TikTokに費やす時間は月間26時間であるのに対し
youtubeは16時間で、10時間の差があったそうです。

YouTubeの月間ユーザー数は推定20億人であり、TikTokのユーザー数は10億人のため、総動画再生時間に関してはまだまだyoutubeの方が強いメディアと言えますが、
TikTokのユーザー数が凄まじい勢いで伸びているため(2018年は5500万→2021年10億)このままユーザー数を増やしていけば総再生時間でyoutubeを追い越すのは時間の問題かと思われます。

もし、追い越した場合は、
「広告媒体の魅力としてyoutubeを越える」ことになり
一気にTikTokのビジネス利用が過熱すると予測できます。

また、TikTokはブランディングとマーケティングも非常に巧みです。

成長の源泉となったのは「競合他社プラットフォームへの広告出稿」だと言われています。
2019年は広告予算の80%近くがSnapchat(同じく世界的に有名な動画SNS)に投下され、2020年は73%がフェイスブックに投下されています。
そして2021年はテレビへの広告投下がもっとも大きな割合を占めています。

このように、成長度合いに合わせて思い切った広告投下を行うことで
急激なユーザー増加を達成しました。

SNSの最大の利益元である「広告」に関しても
実際にユーザーが投稿している動画に非常に近い形で差し込まれます。
youtubeのように動画の視聴を断たれることなく
自然な形で飛び込んでくるため、数秒間広告と気づかないこともあります。

人気TikTokerを利用した広告動画も多くあります。
例えば「漫画を紹介するTikToker」がweb漫画を紹介する広告動画に出たりします。
若干ステレス感もあり際どい広告だなーと思いますが(笑)

ただ、そういった邪魔になりにくい広告は世界観を保ち視聴時間を長くする仕組みに一役かっていると言えます。

また、サービスの設計は徹底的にモバイルファーストであり
縦動画をデフォルトとしたところも没入感を加速させる一因と言えます。

当初は少しニッチで広告等で見かけたら怪しいイメージもあったTikTokですが
今ではyoutubeのようなクリエイティブでスタイリッシュなイメージ戦略を展開しています。

TikTokは国民総クリエイター時代のツールとして
可能な限り敷居を下げ、初心者でもバズりやすい仕組みをつくることで
「好きなことで、生きていく」というyoutubeが作り上げたきたムービードリームを上手に便乗し吸収しながらブランドを強化していると感じます。

 

 

 

 

 

TikTokはyoutubeを超えるのか?


結論から言うと、僕は「超える」と考えています。
とはいえ、プラットフォームとして完全に食ってしまうというより
住み分けが生まれると考えています。

実はyoutubeとTikTokは相性が良く、
TikTokは最大で3分間までの動画しか投稿できないためTikTokをフックにしてyoutubeに誘導したり、TikTokとyoutubeの両方でコンテンツを投稿しているクリエイターが多くいます。

youtubeは今後、テレビコンテンツに近い長尺動画へ強いをシフトしていき
短尺はTikTokといった住み分けで共存していくと思います。

では何をもって「超える」と定義するかですが、
長尺コンテンツはAmazonPrime、Netflix、Abema、そして地上波TVコンテンツと競合することになります。

これからもyoutubeは長尺のメインストリームとして膨大な利益を出し続けると思いますが、短尺のメインストリームはTikTokの一人勝ちとなり、
「利用時間」「ユーザー数」「広告費」の3点で2年以内にyoutubeを超えると思います。

僕ら広告やマーケティングを生業にしている人間は、
おっさんとはいえ、TikTokをダウンロードし次の時代の風を少しでも感じないと吹き飛ばされてしまうなぁーと感じます。

とはいえ、実際使ってみると楽しいですよ(笑)

それでは!今日はこのへんで!
またブランディングラボで会いましょう!

 

熊本マーケティング研究所では、クライアントと共に伴走し、経営サポートを行う
Labout(ラバウト)というサービスを提供してます。


経営やマーケティングに課題問題を抱えている方がいましたらぜひお問合せください。

→ラバウトについてもっと詳しく!