コラム

Column

課題を解決するプロダクトあれこれセミナー振り返り 2026/10/22(木)開催

開催概要

日時 : 2026/10/22(木) 19:00~21:00
会場 : 熊本県民交流会館パレア 会議室9(定員18名)
内容 : 課題を解決するプロダクトあれこれ
講師 : 溝口 敏博(株式会社熊本マーケティング研究所)

 

当日の内容

1.Productとは
2.ヒット商品を「課題」で見てみよう
3.機能性と情緒性
4.マーケットインとプロダクトアウト
5.ワーク

 

◎プロダクトの本質と顧客価値

では、プロダクトとは何でしょうか。モノや商品のことだと思われがちですが、マーケティングにおけるプロダクトの定義はもっと広く、サービス・体験・情報・アプリ・サブスクリプションなども含みます。そして最も重要なのは、プロダクトの本質は「顧客の課題を解決する価値」にあるということです。

マーケティングの有名な格言があります。
「ドリルを売るな、穴を売れ」
ドリルを買いに来るお客さんが本当に求めているのは、ドリルという機械ではありません。「穴を開けたい」という目的、つまり課題を解決することです。穴が開けられるなら、ドリルでなくても構わない。この視点こそが、プロダクト設計の出発点になります。

プロダクトとは、顧客のビフォーとアフターをつなぐものです。商品やサービスそのものではなく、それを通じて顧客がどう変わるのか。その変化を生み出すことがプロダクトの役割です。

 

◎具体事例で学ぶ「ビフォーアフター」

PRによるメディア露出の効果は、売上向上にとどまりません。
・売上向上:メディアへの露出が積み重なることで、認知度と信頼度が高まり売上に直結する。小さな記事でも「掲載実績」として二次利用できる。
・人材採用:「良い会社」というイメージが先行し、採用に困らなくなる。
・社会的信用の向上:メディア実績が信頼となり、BtoB営業や大手企業からの提携オファーにつながる。
・社員のモチベーション向上:社員やその家族がメディア露出を喜ぶことでエンゲージメントが高まる。

 

◎メディアが求めるニュース性とネタ作り

身近な商品・サービスを例に、それぞれが解決している課題(ビフォー)と提供している価値(アフター)を参加者と一緒に考えていきました。
■美容室
単に「髪を切るところ」ではなく、「きれいになりたい」「自信を持って人前に出たい」「気分転換したい」という課題を解決する場所。外見だけでなく、心理的な変化も生み出しています。
■コンビニコーヒー
「喉が渇いた」「眠気を覚ましたい」といった課題はもちろん、短時間で本格的なドリップコーヒーが飲める手軽さ、気分転換のひとときなど、多様な価値を提供しています。
■食洗機
「家事の時間を減らしたい」「食器洗いが面倒」という課題を解決するために生まれた商品。忙しい現代人の時間と手間を解放します。
■モバイルバッテリー
「外出先で充電切れが不安」という課題を解決。スマホが手放せない生活に欠かせない存在になっています。

これらの例に共通しているのは、商品・サービスそのものではなく、「誰の・どんな課題を・どう解決して・どういう状態にするか」が明確に設計されているという点です。

 

◎機能的価値と情緒的価値で差別化する

同じプロダクトでも、市場には多くの競合が存在します。では、どのように差別化すればよいのでしょうか。ここで登場するのが「機能的価値」と「情緒的価値」という2つの軸です。

■機能的価値
「何ができるか」「どれだけ速く・軽く・安く・長持ちするか」など、スペックや性能による差別化。食洗機を例にすると、乾燥速度・軽さ・耐久性・価格・設置形態・サイズなどがこれにあたります。
■情緒的価値
「どんな気持ちになるか」——安心・楽しさ・嬉しさ・ワクワク・かっこいい・かわいい、といった感情に訴える価値です。デザインの高級感やかわいらしさが購入動機に影響することもあります。

この違いを鮮やかに示す例として紹介されたのが時計です。カシオのG-SHOCKは約2万円、オメガのシーマスターは100万円、パテックフィリップは700万円。「時を刻む」という機能は同じなのに、なぜこれだけの価格差が生まれるのか。その答えが情緒的価値です。所有する満足感、ステータス、ライフステージによって変わる価値観、機能だけでは説明できない差が、情緒によってつくられています。

 

ワークショップ

4つのワークシートを使った実践的なワークショップを行いました。

ワーク①
身近な商品・サービスを題材に「誰が・どんな場面で・どんな不便があったか・何が変わったか・感じる価値は何か」という5軸で深掘り。宅配サービスや動画配信サービス、100円ショップなど、普段何気なく使っているプロダクトの「課題解決の構造」を言語化していきました。各チームのシートは自由に見て回る時間も設けられ、他チームの視点から新たな気づきも生まれました。
ワーク②③
日常の「不便・面倒・イライラ・怖い・わからない・時間がかかる」を8〜10個書き出し、頻度・深刻度・人数・支払い意思という4つの基準で商品化候補を1つに絞り込みました。
ワーク④
選んだ課題をもとに「誰の・何の課題を・どう解決して・どういう状態にするか」を一文で言語化し、プロダクト名を決めました。チームごとの結果を共有することで、同じ課題でもまったく異なるアプローチが出てくることを実感できました。

 



 

 

まとめ

今回のProduct編では、「プロダクトとは何か」という根本から、機能・情緒による差別化、そしてマーケットインとプロダクトアウトという開発アプローチまで、体系的に学びました。
「良いプロダクトは、良いアイデアから生まれるとは限らない。良い課題発見から生まれる」
自社のプロダクトが本当に顧客の課題を解決しているかどうか。その問いを立て続けることが、強いプロダクトをつくる第一歩です。日常の中で「不便・面倒・イライラ」に気づくアンテナを磨き、課題を発見する目を養っていきましょう。次回は宮崎が【感覚からの脱却!効果が見えるプロモーション実践講座】と題して消費者行動モデルを使った顧客行動の可視化と販促への活用法を、座学とワークでお伝えします。ワークショップセミナーの開催は残り2回となりました。ぜひご参加ください!

 

次回予告

次回のワークショップセミナーは、以下の通りです。
【タイトル】
感覚からの脱却!効果が見えるプロモーション実践講座
【講師】
宮崎 滉(株式会社熊本マーケティング研究所)
【日時】
2026/11/12(木)19:00~21:00(開場18:45)
【お申し込み】
こちらの「ワークショップセミナー申し込みフォーム」よりお申し込みください。