初めて「beco+81(ベコプラスハチジュウイチ)」さんの作品を拝見したとき、心の中に小さな衝撃が走りました。“可愛い” のに、どこか不思議で、思わずくすっと笑ってしまう。その絶妙なバランスに引き込まれ、一度見たら忘れられない印象を受けました。イラストの中には、独特のユーモアや違和感、そして柔らかな色彩が漂っています。まさに「可愛いだけじゃない可愛い」という言葉を体現しているイラストレーターだと感じました。今回は、イラストレーター beco+81の魅力を、ひとりのファンとして、ご紹介いたします。

beco+81とは
beco+81は、独特の世界観と感性で注目を集めている日本のイラストレーターです。柔らかなタッチと淡い色使い、そしてどこかシュールでユーモラスな表現が特徴で、見る人の心に「かわいさ」と「不思議さ」が同時に残る作品を数多く生み出されています。SNSを中心に人気を広げ、現在では展示や書籍、フィギュアなど多方面に活動を展開しています。





「しりみみうさぎ」という存在
beco+81さんを象徴するキャラクターが、「しりみみうさぎ」 です。丸みのあるフォルム、少しとぼけた表情、ユーモラスで不思議な仕草。一見すると単なる可愛いキャラクターのようですが、よく見るとどこか違和感があり、見る人の心をじわじわと掴んで離しません。「ただ可愛い」だけでは終わらない、見る人に想像力を与える作品です。









展覧会「SIRIMIMI USAGI EXHIBITION」
2024年、渋谷PARCOのGALLERY Xで開催された「SIRIMIMI USAGI EXHIBITION」は、beco+81の代表作“しりみみうさぎ”の世界を立体的に体感できる展示として大きな話題となりました。私は会場に直接足を運ぶことはできませんでしたが、SNSやメディアで紹介された写真、来場者の感想からも、その熱量や空気を感じ取ることができました。会場では、描き下ろしの新作イラストや原画、等身大のフォトスポットが登場し、作品の中に入り込むような没入感があったそうです。会場限定のグッズも販売され、「まるでbeco+81の世界に迷い込んだようだった」という感想が多く見られました。








作品集『SIRIMIMI MAGAZINE』(PARCO出版)
2025年9月、PARCO出版より刊行された作品集『SIRIMIMI MAGAZINE』は、beco+81さんの代表作「しりみみうさぎ」を中心に、広告・フィギュア・展示作品などを収録した豪華な一冊です。「かわいい」と「シニカル」が共存する世界を、192ページにわたって余すことなく表現されています。
ファッション誌のような構成と、アートブックのような美しい印刷が特徴で、ページをめくるたびにbeco+81さんの世界に引き込まれていきます。刊行記念展も開催され、ファンにとっては“作品世界を手に取る”特別な体験となりました。









フィギュアマスコット第1弾
beco+81さんの人気をさらに広げたのが、カプセルトイ化された「しりみみうさぎ」フィギュアです。第1弾は発売直後からSNSで大きな反響を呼び、「全種類を揃えたい」「何度も回してしまった」という声が多く寄せられました。イラストの世界が手のひらサイズの立体となり、“飾るアート”から“持ち歩けるアート”へと広がった瞬間でした。

私も実際にカプセルトイを回しに行きましたが、なぜか同じフィギュアが3回連続で出てくるという奇跡(?)が起き、コンプリートはできませんでした。けれど、回すたびに出会う“しりみみうさぎ”たちはどれも可愛かったです。顔がバッテンのやつ欲しかったです・・・。
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最近はカプセルトイをを透明のケースに入れるのが流行っています。

フィギュアマスコット第2弾「アートエモーショナルコレクション」
2025年11月には、第2弾「beco+81 アートエモーショナルコレクション」が登場予定です。電話に座るうさぎ、空港のうさぎ、白鳥に乗るうさぎ、チェス盤の上に立つうさぎなど、日常と非日常を行き来する全4種類のフィギュアが展開されます。かわいさの中に少しのシニカルさが潜むそのデザインは、まさにbeco+81さんのアートを立体で再現したような仕上がりです。発売が楽しみです!

ゲームセンターでのプライズ化
フィギュアシリーズの人気は、ついにゲームセンターへも広がりました。2025年1月頃より、全国のアミューズメント施設で「しりみみうさぎ プライズシリーズ」が登場しました。SNSでは「ゲームセンターで偶然出会えた!」という投稿が相次ぎ、アートが人々の生活により近づく形で浸透していることを感じさせます。
私は出会うことができず残念です・・・。

音楽とのコラボレーション
beco+81さんの活動は、音楽の世界にも広がっています。シンガーソングライターのカネコアヤノさんが2024年に発表したシングル『ラッキー/さびしくない』では、ジャケットイラストをbeco+81さんが手掛けました。やわらかなトーンと空気感がカネコアヤノさんの音楽世界と美しく重なり、ファンの間でも「音と絵が同じ温度を持っている」と話題になりました。


アパレルブランドとのコラボレーション
ファッションブランドとのコラボレーションも魅力の一つです。代表的な例として、USAGI ONLINE × beco+81 のコレクションです。パーカー、ベロアポーチ、マフラー、タンブラーなど多彩なコラボアイテムが展開されました。限定デザインの中には、描き下ろしの“しりみみうさぎ”モチーフも登場し、アートを日常的に楽しめるラインナップとなっています。







さらに、lilLilly とのコラボでは、スウェットやアクセサリーシリーズが登場。ネックレスやヘアピンなど、繊細で遊び心のあるアイテムが発表され、“身につけるアート”として多くのファンに愛されています。



beco+81の作品は、“可愛らしさ”の中にある「小さな違和感」や「余白」を大切にし、見る人の心に静かに問いを投げかけてきます。イラストから始まった表現は、展示、音楽、ファッション、フィギュア、そして日常の中へと広がり、アートが生活と共にあるものとして息づいています。「可愛いだけじゃない可愛い」。この言葉のとおり、これからも、可愛さの奥にある人間味やユーモアを通して、私たちに新しいかわいいのかたちを見せてくださることでしょう。これからもbeco+81さんの活躍が楽しみです!
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