中小企業新事業進出補助金「第1回公募」の採択結果発表
2025年から新設された「中小企業新事業進出補助金」の第1回公募の採択結果が2025年10月1日に発表されました。
第1回公募の中小企業省新事業進出補助金には3,006事業者が申請し、採択は1,118事業者と、採択率が37%でした。
今回は、中小企業新事業進出補助金「第1回公募」の採択結果を分析してみたいと思います。
採択結果の概要
《業種別の採択件数割合》
業種別では、応募・採択ともに以下の3つが上位を占めています。
1.製造業
2.卸売業・小売業
3.建設業
これは、省力化・自動化やDX、環境対応など、設備投資を伴う分野での需要が高いことを反映しています。特に製造・建設分野では、エネルギー効率化や生産性向上を目的とした新設備導入が目立ちます。
《採択者における補助金申請額の分布》
補助金申請額の分布を見ると、「2,000万円以上~2,500万円未満」 が最も多く、比較的中規模投資の案件が中心となっています。
採択企業の多くは、AI技術の導入、再生可能エネルギー設備の整備、地域観光資源の活用、海外市場への進出など、中小企業の構造転換に向けた挑戦的なテーマに取り組んでおり、経済産業省が掲げる方向性と強く連動していることが分かります。
《都道府県別の採択状況》
熊本県では、48件の応募に対して21件が採択されています。採択率は約44%と全国平均を上回り、県内企業の事業計画の質の高さがうかがえます。他府県と比較しても決して応募件数が多いわけではありませんが、選ばれる計画を着実に作りこんでいる点が特徴的です。
採択案件を見ると、熊本県内では次のような傾向が見られます。
・製造業・建設業を中心とした「新技術導入・事業多角化」型の計画
・観光/宿泊業における「地域資源活用型新サービス」
・食関連企業の「地元食材の高付加価値化・ブランド化」
特に熊本県では、半導体関連需要や観光再生など地域特有の成長分野と結びついた事業計画が多く見られ、地域経済のトレンドと補助金の方向性が一致している点が評価されたと考えられます。
今後の展望と次回公募への備え
今回の採択結果から見えてくる次の公募対策のポイントは以下の3点です。
①地域性と社会課題を掛け合わせたテーマ設定
②事業の収益性と持続性を具体的に示す
③認定支援機関との連携体制を早期に整備
《次回公募日程》
公募開始日:令和7年9月12日
申請受付日:令和7年11月10日
応募締切日:令和7年12月19日
採択発表日:令和8年3月下旬予定
まとめ
熊本マーケティング研究所では中小企業新事業進出補助金だけでなく、ものづくり補助金をはじめ設備投資に関する補助金の実績も多くあります。せっかく補助金が活用できるのであれば、申請書作成をアウトソーシングするという選択肢もあります。
熊本マーケティング研究所では補助金を活用したい事業者様からのご相談も承っております。