AIが変える「検索」の未来
皆さんは、日頃からChatGPTなどのAIを活用されていますか?
日常生活やビジネスのさまざまな場面で、その存在感は日に日に高まっています。ビジネスシーンでは「AIをどう活用するか」がよく話題に上りますが、自社での活用にとどまらず、注目すべき点があります。それは 「AIの登場によって、顧客の行動が変わりつつある」 ということです。今回は、AIがどのように検索行動を変えているのか、そして企業側に求められる対応について、当社の経験も交えながら掘り下げてみたいと思います。
「ChatGPTに聞きました!」新たな顧客接点の誕生
最近、熊本マーケティング研究所へお問い合わせいただいた方に、「当社をどこで知りましたか?」とお尋ねすると 「ChatGPTに聞きました!」 という回答をいただく機会が増えてきました。これは、検索の常識がすでに変わり始めていることを、実感させられる現象でした。検索エンジンではなく、AIが情報源として定着しつつあるということです。今後の検索行動を考えるうえで、生成AIやそのほかAIを活用した機能は、無視できない変化をもたらすと言えるでしょう。
顧客接点と対策の変化
インターネットの普及により、企業と顧客の接点が多様化したというのは、皆さんご存知の通りかと思います。検索連動型広告やSEO対策など、ユーザーの検索行動を想定し、キーワードをコンテンツに組み込むなどの対応策も一般化しています。しかし、AIの登場はこうした対策について、見直しや追加の取り組みが必要になる、大きな変化をもたらします。なぜなら、従来の検索エンジン向けの対策とは別に、AIに「選ばれる」ための新しいアプローチが求められるようになっているからです。
AIによる検索行動の変化
以前であれば、「熊本でマーケティング支援をしてくれる会社を探したい」というニーズがある顧客は、「熊本 マーケティング支援」といったキーワードを検索窓に入力し、表示されたページの中から目的の情報を探す、という行動が想定されます。そのため、検索結果の上位に表示されることが重要でした。しかしこれからは、「そもそも検索エンジンを使わず、AIに質問する」スタイルが主流になると考えられます。また、既に実装されているGoogleのAI Overview(AIによる要約表示)など、検索アシスタントAIが複数のページを参照し、最も関連性の高いページを提示する機能もあり、いくつかの企業ページを参照することが無くなる可能性が考えられます。
検索クエリの変化
検索窓に入力される「検索クエリ(=検索語句)」にも変化が見られます。これまでは短い単語の組み合わせが主流でしたが、最近ではより詳細、かつ具体的なニーズを反映した長文のクエリが増えています。
■従来の検索クエリの例
「日焼け止め 人気」「レストラン おすすめ」「スマホ 安い」
■現在の検索クエリの例
「日焼け止め とにかく汗に強い プチプラ」「レストラン 個室 子連れOK 渋谷周辺」「スマホ 5万円以下 カメラ性能良い 長時間バッテリー」
Googleの調査でも、日本における検索クエリの約75%で、過去1年間に「クエリが長くなった」とされています。ユーザーは情報の溢れるネット環境の中で、より効率的に精度の高い情報を得ようとしていることがうかがえます。こうしたユーザーの変化に対して、AIの登場は追い風となっています。あらかじめ詳細な条件を用意しておいて、AIによってドンピシャの検索結果を引っ張ってきてもらうという、検索スタイルが主流になりつつあります。そのため、ユーザーの使用シーンを細かく、具体的に想定し情報として発信しておくことや、自社の商品・サービスの特徴や長所をより詳細に、WEB上に出し切る、ということの重要度が増していくことが考えられます。
検索のこれから 欲しい情報が「そのまま」届く時代へ
これまではキーワードを入力し、検索結果の中から自分で選び取るスタイルでした。これからは、生成AIがユーザーのニーズをくみ取り、最適な回答を直接提示するスタイルに移行していくと考えられます。たとえば、「熊本で中小企業向けのマーケティングに強く、費用もリーズナブルな会社を3社教えてください」と質問すれば、AIが条件に合った企業を即座に提案してくれる、このようなことが既に現実になっています。検索体験が「探す」から「得る」へと進化をしており、より少ない手間で、より質の高い情報にアクセスできるようになっています。
さいごに
今回は、AIの登場による検索行動の変化や、顧客に起こっている検索意向の変化とAIの関係をコラムにまとめました。こうした環境に対して、企業の対応策や、既に取り組まれている企業の事例などまだまだ書きたいことは尽きないので、次回コラムで書いていこうと思います。
こうしたAIが登場し、顧客行動が変化している現状においても、重要なのはやはり「顧客目線」です。「顧客は何を求めているのか」「顧客はどんなシーンでこの商品を想起するのか」といった顧客目線で商品・サービスを捉えて、情報を出していくことが必要です。ただし、こうした顧客目線で考えるということは、取り組んでみると難しいものです。そこで、第三者の視点を取り入れてみるということも一つの手です。熊本マーケティング研究所では、熊本の中小企業のマーケティングをサポートする「Labout」を提供しています。ご興味がある方は、ぜひお気軽にお問い合わせください!
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