コラム

Column

営業活動の脱属人化! 営業組織の未来を考える

営業職の抱える課題

昨今、人手不足は多くの企業で共通の課題ですが、特に深刻なのが営業職です。転職サービスを提供する企業の調査によると、実に28%もの企業が「営業不足に直面している」と回答しています。その背景には、営業職への若者人気が低下していることがあります。また、経験を積んだ中堅層の流出も課題です。かつての「一社に勤め上げる」という価値観が変化する中で、ベテランが退職し若手育成がますます難しくなる、という負の連鎖が起こっています。

こうした課題を解決する鍵は、「営業活動の脱属人化」です。個々の経験豊富な社員に、教育や営業活動を一任する、というスタイルには限界が来ているかもしれません。会社組織として「営業の型」を確立し、省人・省力化に加え、人が変わっても安定して売上を創出できる仕組みを構築することが、これからの企業の成長には不可欠です。そうした企業独自の営業の型は、流動性が高まっていくであろう”人”に経験として蓄積されていくのではなく、”企業資産”として積み上げることができ、独自の競争力の源泉となっていきます。

 

「属人化」によるリスク

仕組みではなく、特定の「人」に依存する営業活動は、様々なリスクを企業にもたらします。

■売上の不安定化と機会損失の増大
営業担当者が退職したり、長期休暇に入ったりすると、その人が持っていた売上が減少してしまう恐れがあります。それだけではなく、進行中案件の進捗が滞ったり、既存顧客との関係が途切れてしまったりするリスクも考えられます。他の社員に案件を振り分けても、社員の疲弊を招き、さらなる退職リスクを高める悪循環に陥ることも考えられます。

■ノウハウ共有のブラックボックス化と組織成長の停滞
営業職は、顧客のニーズを聞き出し、最適な提案をする、極めて複雑な職種です。そのため、マニュアル化が難しく、個人の「経験」に頼らざるを得ない、実情があるかと思います。新規商談で高いクロージング率を誇るセールスは、顧客の潜在的なニーズを瞬時に察知できるかもしれません。しかし、経験の浅い社員が同様のパフォーマンスを出すのは難しいでしょう。「当たって砕けろ!」「経験して学べ!」というのももちろん大事ですが、これだけになってしまうと、育成は個人の経験値が積み上げるのを待つことになり、成長速度が鈍化してしまいます。再現性の高い営業ノウハウを、”企業資産”として蓄積できていないことは、企業の成長機会を大きく損なうことになります。

■顧客対応のばらつきとLTV(顧客生涯価値)の低下
「新規開拓が得意」「既存顧客の深耕が上手い」など、個々の営業担当者に得意分野があるのは当然です。しかし、「新規はあの人に任せろ」といった属人化が進むと、その人が退職した際のリスクが増大します。また、担当者によって提案の質に差が出ると、顧客満足度にばらつきが生じ、結果的に顧客の離反やLTVの減少を招きます。組織として一貫した顧客対応の「型」を持ち、チームとして顧客と向き合うことは、リスク分散だけでなく、顧客からの信頼獲得においても重要なことだと考えます。

■営業担当者のエンゲージメント低下と働き方の課題
「働き方改革」という制度的圧力に加え、「個人の時間を重視する志向」や「長時間労働へのネガティブな意識」が広まっています。これは当然の変化である反面、顧客の「欲しい情報」を「欲しい時」に手に入れたい、というニーズとの間に乖離を生む可能性があります。顧客満足度を最優先に考えれば、どうしても営業に費やす時間が長くなりがちです。属人化された業務体制では、人に負荷が集中し、エンゲージメントの低下や、パフォーマンスの低下を招くリスクがあります。人にしかできないことと、仕組で解決できることを整理し、営業タスクの整理・再編が重要になります。

 

営業活動の「仕組み化」を加速させるツールたち

これらの課題解決を強力に推進する可能性を秘めているのが、デジタルツールです。近年、様々なデジタルツールが登場し、営業活動のあり方を根本から変えようとしています。

■電子ブック(デジタルカタログ)
紙のカタログでは難しかった、情報のリアルタイム更新を可能とするツールです。特に、製品ラインナップが多い企業では、取り扱い商材の変更やアップデートがあった際に、即座に顧客へ最新情報を提供できます。また、カタログや商談資料、その他役立ち情報を電子化し、Webサイトのダウンロード資料として活用することで、サイト訪問者の情報を取得し、継続的なアプローチを可能にします。これにより、Webサイトを強力な見込み顧客獲得チャネルへと変革させ、新規顧客の獲得をサポートします。

■チャットボット
企業サイトにチャットボットを埋め込むことで、顧客が求めている情報を瞬時に提示し、適切なページへの誘導や、商談依頼へのスムーズな導線を創り出します。顧客の疑問をリアルタイムで解消することで、離脱率の低減や、見込み顧客のエンゲージメント向上に貢献します。さらに、AI機能を連携させたチャットボットは、より複雑な顧客対応や多言語対応も可能にし、24時間365日の顧客サポートを実現します。

■MAツール(マーケティングオートメーション)
Webサイトと連携させることで、MAに登録されているユーザーが、サイト内でどのページを閲覧し、どのようなコンテンツに興味を示しているのかを詳細に分析できます。これにより、新規の問い合わせがあった際、相手が何に興味を持ってアプローチしてきたのか、どのような課題を抱えているのかを事前に把握した上で商談に臨めます。営業の「顧客課題を見極める目」の仕組化を手助けするツールです。また、MAツールには、パーソナライズされたメルマガ配信機能や、Webサイトの閲覧履歴から顧客の検討度を自動でスコアリングし、制約確度の高い顧客を営業に通知する機能などがあり、営業活動の効率を飛躍的に向上させます。

このほかにも、SFA(営業支援システム)やバーチャル展示場 等、様々なデジタルツールが存在します。このようなツールに備わる、顧客利便性や分析機能を駆使しすることは、”企業資産”としての営業の型を確立することに繋がります。

 

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