中小企業省力化投資補助金(一般型)「第1回公募」の採択結果発表
2025年から新設された「中小企業省力化投資補助金(一般型)」の第1回公募の採択結果が2025年6月16日に発表されました。
第1回公募の中小企業省力化投資補助金(一般型)には1,809事業者が申請し、採択は1,240事業者と、採択率が68.5%でした。第1回公募ということもあり、申請事業者数も少なく比較的高い採択率だったと感じています。
今回は、中小企業省力化投資補助金(一般型)「第1回公募」の採択結果を分析してみたいと思います。
採択結果の概要
≪業種別の採択件数割合≫
業種別に採択件数を見ると圧倒的に製造業が多い結果となっています。建設業、卸売業も合わせると3業種だけで8割弱を占めていますので、中小企業省力化投資補助金(一般型)は製造業が活用しやすい補助金ともいえます。しかし、医療福祉やサービス業、農業・林業・漁業の採択もされているので、申請内容次第では幅広く採択されています。
≪都道府県別の採択件数・割合≫
次に都道府県別の採択件数と割合です。最も多く採択されているのが大阪府(124件)、2番目に多いのが愛知県(108件)、3番目が東京都(93件)となっています。なお、熊本県は20件の採択となっており全国24位でした。
≪採択者における補助金申請額の分布≫
今回採択された事業者の補助金申請額の分布を見てみます。最も多いのが1,500万円~1,750万円、2番目に多いのが2,000万円~3,000万円、3番目に多いのが750万円~1,000万円となっています。
中小企業省力化投資補助金は従業員数によって補助上限額が決まっているのですが、大幅な賃金引上げを行う場合は補助上限額が500万円から2,000万円の上乗せがされます。1,500万円~1,750万円が最も多い結果となった理由としては2つ考えられます。従業員規模6~20人の企業で大幅な賃金引上げを行う企業数が多かった。また従業員規模21~50人の企業の申請が多かったということです。もちろん、1,500万円満額で申請している事業者も含まれるので大幅な賃金引上げを行わない企業も含まれてはいますが、従業員規模6~20人、21~50人の企業が積極的に補助金を活用しているようです。
≪従業員数別の採択件数割合≫
細かい従業員数の採択件数割合を見ると従業員規模21~30人の企業が最も採択されています。しかし、前述の従業員規模6~20人の企業は6~10人、11人~15人、16人~20人の3つのグループが入りますので合算で31.9%となっています。製造業で20人以下の従業員となると小規模事業者に該当します。小規模事業者と小規模事業者を卒業した企業が良く活用しているということが見て取れます。
実際に採択された案件の概要紹介
では、実際に採択された案件はどのようなものだったのでしょうか。業種別に採択された事業概要を紹介いたします。今後、中小企業省力化投資補助金(一般型)の申請を検討されている方は、参考になるのではないでしょうか。
事業計画名に頻出するキーワードから見える傾向
採用された事業計画書のタイトルを分析してみると以下のような傾向がありました。
「省力化」「自動化」「DX」「ロボット」「AI」
多くの事業者が「作業の省人化・省力化」に直結する設備投資(特に自動化機械、AI検査、DX化)を実施を目指しているようです。
「包装」「検査」「工程」「ライン」
製造業を中心に「工程の自動化」や「検査・包装作業の効率化」が目立っていました。
「建設」「測量」「施工」「ICT」
建設・土木分野では「ICT建機」や「ドローン測量」等による現場作業のデジタル化が多いようです。
「食品」「製造」「物流」「管理」
食品製造業では「包装・充填・検品ラインの無人化」、物流業では「在庫・配送管理のシステム化」が目立っています。
次の中小企業省力化投資補助金(一般型)の募集はいつ?
今回のコラムでは中小企業省力化投資補助金(一般型)「第1回公募」の採択結果を分析してみました。採択率の高さ、小規模事業者でも活用しやすさ、が特徴の補助金です。気になるのは、次の募集は「いつ」なのかです。
公式サイトのスケジュールでは以下のように記載されています。
公募開始日 | 2025年6月中旬(予定) |
申請受付開始日 | 2025年8月上旬(予定) |
公募締切日 | 2025年8月下旬(予定) |
採択発表日 | 2025年11月下旬(予定) |
まとめ
熊本マーケティング研究所では中小企業省力化投資補助金だけでなく、ものづくり補助金をはじめ設備投資に関する補助金の実績も多くあります。せっかく補助金が活用できるのであれば、申請書作成をアウトソーシングするという選択肢もあります。
熊本マーケティング研究所では補助金を活用したい事業者様からのご相談も承っております。