事業承継・M&A補助金 事業承継促進枠(第14次公募)
「そろそろ引退を考えているが、跡を継ぐ息子や従業員には苦労をかけたくない」「先代の基盤を活かしつつ、新しい設備を入れて事業を拡大したい」そんな経営者の想いを形にするための補助金です。事業承継を「単なる交代」ではなく、攻めの投資のチャンスに変えるための強力なバックアップ制度を要約してお伝えします。
《スケジュール》
申請受付期間:2026年2月27日(金)~2026年4月3日(金)17:00(厳守)
交付決定時期:2026年6月上旬(予定)
補助事業期間:交付決定日から12か月以内
《事業承継・M&A補助金 事業承継促進枠とは》
親族内承継や従業員承継(親族外承継)などを行った、あるいは行う予定の後継者が、経営資源を活かして行う「生産性向上」のための設備投資や販路開拓を支援する制度です。後継者が主導して取り組む、新しい店舗の改装や最新機械の導入などを直接支援してくれます。
《目的》
事業承継をきっかけに、後継者が新しい挑戦(経営革新)を行うことで、中小企業の生産性を高め、日本経済を活性化させることを目的としています。技術や雇用を次世代に繋ぐだけでなく、承継後の事業をさらに成長させるための「軍資金」を提供することが狙いです。
《対象者》
事業を引き継ぐ「承継予定者」であり、以下のいずれかの条件を満たす中小企業者・個人事業主が対象です。
法人の場合:対象会社の役員として3年以上の経験がある、もしくは3年以上雇用されている。または、被承継者の親族である(代表経験なしに限る)。
個人事業主の場合:その事業に3年以上雇用されている、または被承継者の親族である。
事業の継続性:法人の場合は3期分の決算が完了していること、個人事業主の場合は開業から5年以上経過していることが基本条件です。
《補助上限額》
補助額は、企業の規模や「賃上げ」の実施有無によって大きく変動します。
補助率:1/2以内(ただし、小規模事業者は2/3以内にアップ)
補助上限:最大 800万円
賃上げ実施による上乗せ:一定の賃上げ計画を立てることで、最大 1,000万円まで上限が引き上がります。
廃業費の併用:承継に伴い一部事業を廃業する場合、さらに最大 300万円が上乗せされます。
《より詳細な説明》
この補助金を活用するための大きなポイントは「後継者の主導」と「賃上げ」です。
賃上げ特例:事業場内の最低賃金を、地域別最低賃金+50円以上にする計画を立てることで、補助上限が200万円プラスされます。後継者の代で従業員の待遇を改善し、組織を若返らせたい場合に最適です。
認定支援機関の関与:申請には、税理士や商工会などの「認定経営革新等支援機関」による事業計画の確認書が必須です。専門家の目を通した、実効性の高い計画であることが求められます。
《補助対象となる経費》
生産性を高めるための幅広い経費が対象になります。
設備費:最新の製造機械の導入、店舗や事務所の改装工事、POSレジの設置など
店舗借入費:承継に伴う移転などにかかる店舗や駐車場の賃料(最大10か月分)
広報費:新サービスのチラシ作成、看板設置、SNS広告、ホームページ作成など
委託費:新しい店舗のデザイン、業務フロー改善のためのコンサルティング費用など
知的財産権等関連経費:特許の取得や、他社からの技術・ブランドの買収費用
《主な注意点》
5年以内の承継完了:公募締切日から5年以内に、実際に代表者交代(登記完了)まで終わらせる必要があります。もし期限内に完了しなかった場合、補助金の返還を求められることがあるので、承継のタイミングを慎重に検討してください。
交付決定前の発注は厳禁:他の補助金と同様、採択通知の後の「交付決定」を受けてから契約・発注しなければ1円も対象になりません。
小規模事業者の定義:製造業その他であれば従業員20人以下、商業・サービス業であれば5人以下であれば、補助率が2/3に優遇されるため、非常に有利になります。
不動産のみの承継は不可:物品や不動産だけを売買するような形態は、実質的な事業承継とは認められません。あくまで「経営権」と「所有権」の両方を引き継ぐことが条件です。